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神沢祐樹-126 [高校生会議2-21]

「秘書室のメンバーは祐樹くんが落ち着いて能力を発揮出来る環境を作ろうって話してみえたのよ。
皆さんのお話を聞いて…、社長って大名や王様みたいな存在で、民主主義的なリーダーとは考えて無いみたいね。」
「選挙で選ばれた訳ではないからかな。」
「尊敬し敬愛する主君に仕える、その様な感覚を社員の皆さんはお持ちなのだと感じます。
歴史を振り返ると、強いリーダーを求めるのは人間の本能に近いものかも知れません。」
「問題の有る政権与党と政権運営能力が有るとは思えない野党の頃、父は真のリーダー不在の政治に虚しさしか感じないと話していたの。
それがみどりの風躍進の原動力になったと思う、遥香さま始め力強く魅力的なリーダーが登場し、政治について語る父の表情が随分変わったわ。」
「そうだね、俺も微力ながらお手伝いさせて頂きたいと思うよ。」
「秘書室の方々は微力なんて思ってませんよ、社会福祉の分野では、すでに大きな影響を与え始めていると評価しておられました。」
「まだまだだよ、貧富の差を減らす取り組みは国としても始まったばかりだからね。
我が社の取り組みも…、率先して目立つ事をして行かないと、理想論ばかりの弱小政党と同レベルになってしまいかねない。」
「でも、きっと私達の会社は、その社員である事を誇りに思える会社で有り続けると思うわ。
だから、祐樹社長はとても大切なお方、余計な雑事でお時間を取らせる事の無い様に、私達は働かさせて頂きますよ。」
「あら、どうしましょう、祐樹さまは何も言わなくても私の為に色々と雑事を…、私は妻として失格でしょうか。」
「絵美は祐樹くんの為に何かしてあげるの?」
「特には。」
「構わないさ、白川家にいる時は手伝ってくれる人がいるからな。」
「そ、そうなんだ、一般庶民の私には想像出来ない環境なのかな…、でも、二人きりになれなくてとか不満はないの?」
「えっ、二人きりの時間は結構長いよ、うちのお袋や優香が寂しがらない程度に寝泊りしてるし。」
「うっ、これ以上は聞かないでおくけど…、結婚は確定的なの?」
「ああ、状況を見て来年あたりに婚約発表、高校卒業ぐらいに結婚、離婚したとしてもやり直しは可能だろ。」
「えっ?」
「もちろん離婚する気はないが、先々の事は分からない、ただ晩婚化の弊害は意識しているんだ。
経済的な問題がないなら早くても問題ないだろ。」
「千恵、晩婚、少子は好ましく無いと思いませんか?」
「そうね…、天才の子どもには興味が有る…、ねえ、祐樹くん、離婚したら再婚相手に私を考えてね。」
「祐樹さま、そうなると私の子どもと千恵の子どもが兄弟になるのですね、私の子が兄、姉になるのだから兄弟喧嘩に気を付ける様に教育しないといけません。」
「まあそうだろうが、家系図をややこしくはしたくない。
さあ、明日は朝から打ち合わせも有る、そろそろ休もう。」
「ね、ねえ私が祐樹くんの再婚相手になる確率は?」
「えっ、そうだな…、今は微分の世界かな。」
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