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神沢祐樹-117 [高校生会議2-20]

「山下さん、何時もライブの裏方有難う御座います、須田さん、経理事務は少し複雑な事情が有りますが大変では有りませんか?」
「いえ社長、慣れた作業ですし、作業を通してオフィス白川が着実に成長していると実感出来、とても充実しています。」
「須田さんは、ライブの裏側をご覧になられた事、お有りですか?」
「いえ、絵美お嬢さま、私が舞台裏をうろうろしていたら邪魔にしかならないです。」
「そうですか、祐樹さま、山下さんが舞台裏で汗してる姿も、番組で紹介させて頂きたいですね。」
「そうだな…、うん、番組の中で…、山下さんの姿や、須田さんがどんな作業をしているのかも紹介したら、中高生の参考になるだろう。」
「それって、私達も番組に出演するって事ですか?」
「映っても構わなければですが、大人が会社で何をしてるかなんて子どもには良く分からないのですよ。
まあ、大人でも自分とは違う職種には疎いでしょうが。」
「ですね…。」
「でも、社長と絵美お嬢さまの事を、まずは世の中の凡人達に知って頂きたいです。」
「はは、凡人という表現にはクレームが来ますよ。」
「いえ、昼食会の始めに歌って下さって…、お二人は我々凡人とはかけ離れた存在だと、改めて思いました。
自分達はその後、小ホールでのライブパフォーマンスについて盛り上がりまして、どんな話かと申しますと…。」

「…、山下さん、企画としては悪く無いですね、須田さんはどう思いますか?」
「良いと思います、お金持ちから低所得者層の子ども達へと、お金の流れを作る事は社長が当初より考えておられた事、社長のご負担が増えるのは少し心配では有りますが。」
「問題無いですよ。」
「祐樹さま、小ホールなら声量のない私でも大丈夫ですよね。」
「はは、絵美の声量は充分だよ、オペラのアリアだったら大ホールでも大丈夫、でも、色んな曲を披露したいだろ。」
「はい、曲を選ぶのに困ってしまいそうです。」
「バックはアカペラコーラス集団『樹』と…、山下さん、伴奏をお願いするにしてもシンプルにしたいですね。」
「はい、今日の様な演奏が一番だと思います。」
「でも、アカペラは緊張感が増して負担が大きいのでは有りませんか?」
「あっ、社長、すいません、須田さんに言われるまで考えていませんでした。」
「大丈夫だよな、絵美、程よい緊張感の範囲内だろ。」
「はい、歌手としてはまだまだ未熟ですが、皆さんに喜んで頂けたら嬉しいです。」
「正直言ってアカペラとか、シンプルな伴奏だけ、というのは誤魔化しが効かないのですが、初めから誤魔化す気は有りません、それに対する評価を素直に受け入れて参考にさせて頂こうと思います。」
「お二人の歌声はもう充分過ぎる程素敵で…、ふふ、私の評価を受け入れて下さい。」
「有難うございます、これからゆっくり大人の歌をしっかり歌えるLENTOにと考えていますので、今後も応援お願いします。」
「はい、社員を代表してお約束させて頂きます。」
「あらっ、山下さんは社員代表なのですか、私達はくじで当たっただけなのですが…。」
「はは、代表は代表でも、独身且つ彼氏彼女のいない人限定くじで選ばれた代表ですよね。」
「は、はい、社長の仰る通りで…。」
「我が社は社内恋愛推奨ですから、代表として皆さんが真面目なお付き合いの出来る様に刺激を与えて下さいね。」
「は、はい…、でも須田さんには、恥ずかしい所を見せてしまいました。」
「山下さん、気になさらなくて良いですよ、私もお二人とお話し出来てドキドキしてます。
私が高校生の頃は、素敵なボーイソプラノの可愛らしい男の子、ほんとに天使なのかと思っていたのが、どんどん恰好良くなられて、絵美お嬢さまとのお姿を拝見させて頂く時は、何時も映画のワンシーン、いえ目の前で素敵なドラマが進行してるのかの如く…、映画やドラマのお話はないのですか?」
「そうですね、レギュラー番組は今の所ドキュメンタリー形式が中心ですが、先々は演出に変化を付けて行く事を考えています、視聴者の方に飽きられない工夫が必要ですから。
映画やドラマは、撮影の為に拘束時間を長く取られない形を提案して頂いてます。
自分達が本人役で出演するとかですが、実現するにしても先の事でしょうね。」
「お時間の問題が有りますものね、でも、是非実現させてファンを増やして頂けたらと思います。」
「ところで、須田さんは自分が絵美と付き合ってる事をどう思っていますか?」
「私は嬉しいです、大好きな祐樹くんが変な女と付き合うのではなく、私も憧れる様な絵美お嬢さまとなのですから、幸せなそうなカップルは周りを暖かい気持ちにしてくれるものなのですよ。
変な妄想女子に付き合う必要は有りません、美しきカップルとしてファンを増やして下さい。」
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