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神沢祐樹-113 [高校生会議2-20]

「神沢社長、このリムジンバスは如何ですか?」
「うん、快適だね、このままオフィスとしても機能するのでしょ?」
「はい、三週間に渡る旅行中のベース基地ともなりますし、様々なアクシデントに対応出来る様に整えられています。」
「気になるのは前後を走るバスとの格差なんだけど。」
「気になさらないで下さい、社員は交代で社長との時間を作らせて頂く予定で、長期間のバス旅行をする訳では有りませんし、このバスと比べると見劣りするかも知れませんが普通に快適なバスなのです。
そんな事より、我が社の社員は全員が社長のファンなのですから、今回の社員旅行は我々にとって最高の御褒美で、皆浮かれているのですよ。」
「はは、楽しい旅行になると良いね。」
「はい、では、お飲み物等必要になりましたらお声かけ願います。」
「うん、有難う。」

「このバスって絵美のお父さまが用意して下さったの?」
「ええ、他の方にも使って頂くそうですが、私達が優先です。」
「さて、目的地までは時間が有る訳だが…。」
「はい、社長、まずは本日のスケジュール確認をさせて頂いて宜しいでしょうか。」
「そうだな、千恵、変更は有る?」
「今の所は有りません、予定より少し早いぐらいです。
昼食会は現在同行している社員と共に、その後はうちの社員達と別れ、工場見学となっております。
見学後、工場長の案内で観光名所を少し回ります、こちらにも撮影が入りますが、長引かせない様にするとの事です。
後は夜のパーティーまで休息して頂きます。」
「パーティーと言う名の宴会、みんな芸を仕込んで来てくれたかな。」
「あっ、隠し芸だからと教えて貰えませんでした。」
「うふ、祐樹さま、楽しみですね。」
「ああ、面白いのが出たら番組で紹介する事になってるからな、でも、期待して良いのかどうか…。」
「社長、面白いのが有ったら柿川フレンズにスカウトですか?」
「その判断は社員達がするだろう。」
「社訓の一つが良く働き良く遊べですから、遊びの延長で面白いのが出て来そうな気がします。」
「でも内輪受けの宴会芸レベルだと多くの人に受け入れては貰えないからね。」
「テレビに出ている芸人でも、何が面白いのかよく分からない人は結構いますよ、テレビ局が何度も流す事によって売れてるかの様な錯覚をおこし、支持する人がいるのでしょうが…、結局本当のプロと呼べる芸人は少ないのかも知れません。」
「うん、自分達が出演する様になってからテレビを見る回数は増えたが、確かに千恵の言う事は分かるよ、彼等が楽しませる対象としてるのは俺達では無いのだろうな。」
「私が偶然見た番組では、人の頭を叩いて笑ってたり、人を騙して笑っていたりしていました。
祐樹さまは面白いと思わないと言って下さいましたが、千恵も同じ感覚なのですか?」
「ええ、それでも需要が有るのですね。」
「人それぞれだからな、柿川フレンズでは下品なネタは禁止にして貰ってるが…。
まあ、今日は真面目な隠し芸に期待かな。
それより、別の意味で面白そうなのは、工場見学なんだけど。」
「興味深いという事ですね。」
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