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神沢祐樹-106 [高校生会議2-19]

「でも…、男女の問題って…。
人が本能の趣くままに自分の子孫を残そうとか、欲望を満たそうとしていたら、健全な社会集団を形成する事が難しくなる訳で…、性犯罪が…、やはり風俗とかは必要なのでしょうか?」
「祐樹くんみたいに女性に苦労しない人ばかりではないからな。」
「性犯罪を健全な形で抑止出来る方法はないのでしょうか?」
「ある意味アイドル産業は一部を除いて健全なのかもしれない、妄想だけなら実害はないだろ。」
「でも、妄想だけで満足する人が増えると少子化が更に加速しませんか?」
「そうだな、社会の変化…、色々な要因による少子化だとは思うが…。」
「祐樹さん、柿川の出生率は高いのよね?」
「はい、企業の移転に伴って移り住んだ人は若手が中心でしたし、岩崎関係は子ども手当を充実させていますので。
目先の利益だけに囚われない岩崎社長のお考え、それが日本中で当たり前になれば少子高齢化に歯止めが掛かるのでしょうが、まだまだ難しそうです。」
「そうだな、年老いた国にしない為に、少し遅くなってしまったが私の会社も頑張らないとな。
あっ、絵美を通して知ったのだが、少子化問題に対する、岩崎高校生会議の取り組みはすごいね。」
「真面目な性教育を含め、総合的に研究し提案している、あれですか?」
「ああ、性の問題を本能から説いてみたり、医学的見地からのアドバイスが有ったり、更に心の問題としても捉えて…、人が子をなすという行為を、男の子は女の子の事情が分からない、女の子が男の子の事を知らない、というままでいけない、また怪しげな間違った情報を信じている人もいるとして…、一昔前の人達なら人前で語る事をタブー視していた内容にまで踏み込んでいるからな。」
「そうなのですか、自分は妹の成長に合わせて女の子の事を教えられて来ましたので…、でも知識として持っていた恋愛感情という言葉は、実際に経験してみると感覚的に随分違うものでした。
ほんとの意味で女の子の事を知るのは難しいのかも知れません。」
「だろうな…。」
「母親としては、あのプログラムで随分安心したわ、絵美は、きちんと妊娠出産という事を把握してくれていますからね。
私は高齢出産になってしまい、少し苦労したのですよ。」
「そうでしたか。」
「絵美は何人ぐらい、子を産みたいと思っているんだ?」
「はい、お父さま、祐樹さまの子なら十人でも、二十歳ぐらいに第一子出産なら無理はないと思います。」
「絵美、育てるのが大変だぞ。」
「はは、祐樹くん、ベビーシッターと一緒に愛情を注げば良いのだよ。」
「そういうものですか…。」
「ああ、育児は大切だが、君達はその高い能力を社会の為に役立てるべきだからな。」
「ねえ、あなた達はこういった話題をテレビ番組とかで振られたらどうするつもりなの、興味本位で色々聞かれるわよ。」
「判断に苦慮する可能性を考えて、生放送への出演は最低限に、もし生番組に出ることになったら、微妙な質問は誤魔化して答えないつもりです。」
「そうね、それが無難でしょう、アンチを楽しませる必要は有りませんからね。」
「アンチか…、アンチの多さは認知度に比例しそうだな。」
「ですね、まだ少ないそうですが認知度を上げて行かないとグッズの売り上げが伸びません。
そう考えるとCMに出るという事は、クライアントの宣伝だけでなく自分達の宣伝でも有るのですね。」
「そうよ、だから慎重に選ぶ必要が有るの。」
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