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神沢祐樹-86 [高校生会議2-17]

「お兄さま、オフィス白川、会社創立記念パーティー会場、広いですね。」
「優香、出席できる社員全員とゲストの人数を考えたらこれくらいの広さは必要なんだよ。」
「あっ、お姉さま、今日は一段とお美しいです。」
「有難う、優香さんも素敵よ、今日はお嬢さまモードなのですね。」
「はい、お姉さま、今日はハードな一日になりそうですね。」
「えっ、そうかしら、今日も祐樹さまとずっと一緒ですので楽しい一日になると思います。」
「そういう感覚なのですか…。」
「優香もインタビューされると思うが大丈夫か?」
「はい、一応裏技を考えて有ります。」
「裏技?」
「答えにくい質問をして来る人には、こちらから質問を指定させて頂こうかと、こういう質問なら丁寧にお答えしますよ、とか。」
「はは、それは良い、その質問を指定している場面も放送して貰えばうけると思うよ。
俺もその手で行こうかな。」
「私はきっと祐樹さまの事を聞かれると思うのです…。」
「だろうな。」
「限られた時間で祐樹さまに対する気持ちを、皆さんにお伝え出来るかどうかが心配で…。」
「うっ、ほどほどにしときなよ。」
「お兄さま、それはそれで楽しいでは有りませんか、私の大切なお兄さまを独り占めなさろうというお方なのですから。」
「はは、まあ自由にやった方が良いのかもな。」
「神沢社長、今日は長くなりますから今は控室でゆっくりしていて下さい。」
「有難う御座います、じゃあ控室へ行こうか…。」

「社長、ワイドショーのスタッフが事前にお話を伺いたいそうですが如何でしょうか?」
「う~ん、時間はまだ大丈夫だから、お通しして下さい。」

「…、という事で、神沢社長として、単に高校生社長というだけでなく紹介したいポイントとかあれば教えておいて頂きたいと思いまして。」
「有難う御座います、それでは、柿川フレンズのグッズ製作関連を取り上げて頂けませんか?」
「どの様な事で?」
「グッズの製作には様々なハンデをお持ちの方に協力して頂いております。
Tシャツのデザインには看護師の方から推薦の有った、長期入院中の中学生の作品を採用させて頂きました。
製作中のグッズは、パーツの準備を障害の有る方が働く作業所に依頼しています、そのパーツを使って組み立てる作業は、リハビリの一環として機能訓練中の方を中心にお願いしています。
仕上げは高齢者雇用促進の団体が協力してくれています。
どの工程も数量が不足したり、バランスが取れない様なら協力工場でカバーして頂きます。
働きたいが、普通に働きづらい人にお仕事をお願いする形です。
採算を考えると商品が割高になりますが、柿川フレンズのグッズとして一般の商品と差別化しますので、契約を済ませた団体の能力に応じた作業量は確保出来ると考えています。」
「単に芸能活動を通して利益を得るというのでは無いという事ですね。」
「ええ、芸能活動を通して、柿川の更なる活性化を計りながら、ハンデをお持ちの方にも喜んで頂ける活動をと考えています。」
「分かりました、その団体の方々も取材させて頂きたいと思いますがよろしいでしょうか?」
「もちろん大丈夫です、優香、吉川さんを呼んで来てくれないか。」
「はい。」
「うちの担当と打ち合わせをお願いします。
各団体にはそれぞれデリケートな部分が有りますので、普段の取材とは違うと考えて頂きたいのですがよろしいですか?」
「はい心掛けさせて頂きます。
その…、お話を伺いまして、継続的な取材をお願いしたいと思いますが如何でしょう?」
「構いませんが、ローカル局で番組がスタートする事はご存知ですか、系列が違うと思いますが。」
「はい、問題無いです、神沢社長はインディーズでスタートされるそうですが、うちの音楽番組にも紹介させて下さい、異色ですが日本中の人に知って欲しいと思います、お話を伺ってその気持ちが更に強まりました、まずは今日の撮影、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、お願いします。」
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