SSブログ

神沢祐樹-85 [高校生会議2-17]

「祐樹くん、法務局はどうだった?」
「自分達はついて行っただけですから社会見学の様なものです、取材のカメラが入りましたので目立ってしまいましたが。
でも、これから代表取締役社長として頑張りますので、お義父さん、ご指導よろしくお願いします。」
「はは、私が指導する事なんて無さそうだがな、提出した書類の意味だって分かっているのだろ。」
「はい、書類作成などは全て人任せでしたが、内容の確認はさせて貰いました。
自分でも調べましたが、思っていたより簡単だと感じました。」
「うん、大変なのはこれからなのさ、決算とかね。
でも新会社は学生達の為に遥香システムを通してオープンにして行くのだろ、暇な人がチェックしてくれると思うよ。
上場企業だと面倒な事が多くなるが、上場を目指す必要もないからな。」
「はい、それでも社員達は何とか配当を出せる様にすると気合いを入れてくれています。」
「無理をする必要はないよ、だが社員持ち株制度を念頭に置いてるそうだね。」
「ええ、自分達の会社という気持ちが高まるという事で、形は検討して貰っています。」
「あの社員達だとボーナスの一部を株券にしそうだね、その株券の価値を自分達の力で高めて行くのだろう。」
「そんな気はしています、ただ雇われているだけの人とは根本的に違う人達です。
ボランティア社員として、休日を使って働いて下さる様な方々ですので。」
「それだけ新会社に夢が有るのだと思うよ、遥香コーポレーションの立ち上げは元になる会社が有って、当初外部から参加出来る人数がかなり限られていたそうなんだ。
若者中心だった事も有ってそこに絡めなかった人達が、祐樹くんから夢を貰って集まったのさ。
私も考えされられているんだよ、うちの社員達は夢を持って満足して働いているのかとね。」
「規模が大きいと難しいですよね。」
「ああ、でもな、若い子がぽろりとこぼしたのだよ、祐樹くんが次期社長になると思うとワクワクしますってね。」
「えっ、お義父さんを差し置いて…、しかも早過ぎですよ。」
「はは、散々お主の自慢話をしてやったよ。
考えてみるとだな、遥香さまが目立ちすぎてるから気付いてない人もいそうだが、岩崎には魅力ある人材が豊富なんだ。
それは岩崎社長の人徳だと思う。
そして、君もまた、その資質を備えていると思うんだ。
君が持ってる真っ直ぐさを失わなかったら、岩崎社長に負けず劣らない大社長になる器だと思っている。
高一の君に言うべき事では無いのかも知れないが、トップリーダーとしてその自覚を持って経験を重ねて欲しいのだよ。
まあ、ついでにうちの娘を頼むな。」
「有難う御座います、自分がどれだけの器なのか分かりませんが、お義父さんから頂いたこの機会を自分の成長の糧とさせて頂きます。
絵美は…、その…、お嫁に貰うという感覚には馴染めません、パートナーとして共に歩いて行けたらと考えていますので。」
「うむ、だが、娘は婆さんの影響を受けて古風な所が有るし、人付き合いの場が限られていたという事情も、まあ間違いなく君に惚れてるから、婚約は何時でも良いよ。」
「う~ん、何となく思っていた、娘を持つ父親像と違うのですが…。」
「そうか? 娘の相手が最高の男だったら嬉しいじゃないか。」
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。