SSブログ

神沢祐樹-50 [高校生会議2-13]

「あっ、祐兄ちゃんだ~!」
「祐兄ちゃ~ん!」
「あっ、その人が祐兄ちゃんの恋人?」
「はは。」
「白川絵美と申します、宜しくお願い致します。」
「うわ~、お嬢様だ!」
「お嬢さまだ~!」
「き、綺麗な人ね…。」
「おい耕太、何、赤くなってんだよ。」
「赤くなってない!」
「ふふ、隼人ったら、口を空けて見とれてる。」
「えっ、あっ、僕、こんな綺麗なお姉さん、初めて見た。」
「う~ん、私が祐兄ちゃんのお嫁さんになる筈なんだけど。」
「それは、小夜の、夢の中でのお話でしょ。
少し複雑だけど、祐兄ちゃんとはお似合いよね。」
「はは、それで曲の方は大丈夫なのか?」
「あっ、誤魔化した。」
「ごまかした。」
「何だ、俺にどうしろと?」
「お二人の出会いとか。」
「はぁ~、お前らな~、時間が限られてるんだ、一曲目始めるぞ。」
「はぁ~い。」
「じゃあ絵美はみんなに合わせる形で入ってくれるか。」
「はい。」
「ピアノはさっちゃんだね、宜しくな。
ペースはピアノに合わせる事、絵美も歌うが初見なので細かい所は許してやってくれ。
発声練習で声が出てるのは分かってる、力まずに軽く歌ってな。」
「はぁ~い。」
「では…。」

「…、うん、みんなしっかり練習して来たね、上手だったよ。
じゃあ、今度は、絵美が楽譜と全く違う歌をかぶせるから、変につられたりしないで、それと雰囲気が変わるから、力まない事をさっき以上に注意してな、児童合唱団六年生代表の力が問われると思ってくれ。」
「はい。」
「では…。」

「…、みんなどうだった?」
「すごい、楽譜にないメロディーなのに…。」
「絵美さんってプロなのですか?」
「まだプロではないよ、で、本番でも絵美を入れて良いかな?」
「良いけど、どうしてあんなにしっくり?」
「和音を意識してるからさ。」
「あっ、そうか、楽譜にはない音でも和音の一部なんだ。」
「その分和音に厚みが出ただろ、少しずらして歌っていた所も、きちんと計算してるのさ。」
「他のみんなはどう?」
「一緒に歌って欲しい。」
「歌いなれた曲がすごく素敵な曲になったものね。」
「お願いします。」
「絵美、オーデション合格だそうだ。」
「はい。」
「ねえ、別の曲でも良いから、祐兄ちゃんとのデュエットとかも入れてよ。」
「そうだな、それでもみんなが主役なんだからしっかり歌ってくれな。」
「うん、任せといて。」
「じゃあ、次は…。」
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。