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神沢祐樹-43 [高校生会議2-13]

「祐樹くんの人脈の広さには驚かされるね。」
「はは…、私もです…。」
「白川社長、うちのお父さんは祐兄の事、あまり分かってないのですよ。
祐兄…、兄は皆さんのお話に耳を傾けるのが上手で、兄に話し掛ける人達は自然と笑顔になるのです。」
「あっ、それは分かるな。」
「でもお陰で私は不幸なのですよ。」
「えっ? どうして?」
「二人の兄と比べたら周りの男の子達が見劣りして、私に彼氏が出来なかったら兄たちのせいです。」
「はは、でも優香ちゃんはチャーミングだから大丈夫だよ、ステージでの活動にも参加するのだろ。」
「歌はだめですから、司会とかできれば…、でも素人ですから。」
「それに関しては遥香コーポレーションと交渉を始めているんだ。
遥香コーポレーションが持っているモデルなどのレッスン環境を、一般に広げる形で共同経営出来ないかね、話がまとまれば、そこでレッスンを受けさせて貰う事が出来る。
優香は面接試験に合格だから費用は会社が持つ、ご両親の承諾が必要だけどね。
その代わり働いてくれな。」
「知らない内に合格してたんだ、それで、芸能事務所に所属って事になるの?」
「ああ、モデルと司会だ。」
「お父さん、いいかな?」
「好きになさい、私は社長さんを信頼しているから。」
「祐兄、良いって。」
「それでは、正式な契約書は近い内に用意するからね、俺のと一緒に。」
「祐兄も事務所に所属するの?」
「ああ、モデルとしてデビューする俺は社長である俺には逆らえないのさ。」
「給料を沢山貰うつもりなのね。」
「しっかりとした利益を上げられたらな、そのお金は福祉系で利益率の低い部門の拡大に充てたいが、当分先の事だよ。」
「そんな話も進めていたとはね、祐樹くん、早いね。」
「岩崎高校生会議がバックアップしてくれていますから。
でも逆に、周りの皆さんが話をどんどん進めて下さっていますので、白川社長、自分は早めに高校生社員となって視野を広げておかないとまずいかも知れません。」
「ふむ、いたって冷静に考えているのだな。
では連休明けに指示を出すよ、それで、どんな研修を受けたいかな?」
「まだ高校生会議の基礎研修が済んでいませんが。」
「大丈夫だ、基礎研修の内容を把握している担当を付けるから。」
「それでしたら、出来れば会社組織の全体像を大きく把握したいです。」
「うん、必要な事だな、夏休みまでは本社中心に見て貰って、まあ授業後に会社見学ぐらいの感覚で始めてくれたら良い。
夏休みには各地の営業所や工場などから選んで、半分遊び、半分研修というのはどうだい?」
「お願いします。」
「ふふ、私のお勧めは北海道か長野ですよ、祐樹さま。」
「行ってみたいね。」
「絵美も行くつもりなのか?」
「もちろんです、お父さま、意地悪な事おっしゃらないで下さい。」
「まあ、行く先々で女性社員の誘惑に会いそうだから…。」
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