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神沢祐樹-40 [高校生会議2-12]

「絵美、千恵が完成させてくれたスケジュール管理表は確認した?」
「はい、授業内容に関する事まで整理されているとは思っていませんでした。」
「あれは遥香システム管理に提案した結果なんだ。
学校サイドでもシステムを利用しての授業管理を進めている、そのデータからスケジュール管理シートへ自動で生徒向け情報が送られる様にして貰ったのさ、さすがに仕事が早いね。」
「そうだったのですか、千恵さんが秘書として頑張り過ぎていたらどうしようかと思いました。」
「はは、作業は簡単なんだ、今度君にも教えるよ。」
「お願いします。」
「ただ、社員に知っておいて欲しいスケジュールと知らせなくて良いスケジュールを区別する必要が有るから考えてね。」
「あっ、遥香システムを通して社員の方も私達のスケジュールが分かる様にするのですね。」
「ああ、会社立ち上げスタッフから正規社員に移行したら、今は三人だけの管理一覧に全社員の予定が加わるからね。」
「でも不思議な感じです、こうしている間にも会社設立の準備が進んでいるのが。」
「実際に作業を進めているのは大学生、それを高校生会議のスタッフが監督、そして全国の千人近くが進行を見守っているからな。」
「私達は確認作業だけ、確かに会社設立なんてこの先何度も経験する事ではないでしょうし、もしまた設立となったら、その時も慣れた方にお任せすれば良いのですものね。」
「まあ俺達で作った事業計画は、起業実習責任者の方が褒めて下さった。
ちゃんと自分達の役割は果たせているという事だろ。」
「もっと忙しくなるのかと思っていました。」
「トップに余裕が無い会社は危ないそうだよ。
ただ、君のスケジュールは先週のミニコンサートが盛り上がったから、今後変更になるかも知れないね。」
「まだまだ未熟なのですが。」
「いや、心に届く歌声だったよ。」
「有難う御座います、中学生の頃は歌詞の意味も分からずに、いえ、今でも分かっていなのでしょうが、祐樹さまと出会って…。
私は声量も有りませんし、高音部がきつい曲は歌えません。
でも、ミニコンサート前日のレッスンでは、オペラっぽく歌うよりもリラックスし七割ぐらいの声量で歌った方が高校生受けするとの助言を頂きました。」
「プロのオペラ歌手を目指してる訳では無いから正解だよ、学校の連中が情報発信したみたいで、君の歌を聴きたいという声が広がっているそうだからね。」
「少し恥ずかしいです。」
「でも、それにお応えする機会は作りたいだろ。」
「はい…、ところで祐樹さまのスケジュールでは夜に市民コーラス関連の時間が多いのですね。」
「ああ、でも暫定的な予定だから、部活との関連で変更するかも知れない。」
「私も市民になりましたから、参加する事は出来ないのでしょうか?」
「問題はないが、もう少し落ち着いてからの方が良くないか?」
「祐樹さまと離れて過ごす時間が寂しいのです。」
「そうか…、では土曜日にご両親とも相談してみよう。」
「お願いします。
土曜日は祐樹さまのご家族ともお会い出来るのが楽しみです。」
「はは、優香も楽しみにしてるよ。」
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