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神沢祐樹-35 [高校生会議2-12]

「おじゃまします。」
「やあ、祐樹くん、いらっしゃい、娘が無理を言って済まなかったね。」
「いえ、白川社長ともお話したかったですから。」
「嬉しい事を言ってくれるね、さ、上がって。」

「今日はどうだった?」
「イベントは雨の割に来場者が多くて先輩方は喜んでいました。」
「それは良かった、吉松社長は自分達の屋外イベントが中止になって残念だったそうだが、君達とゆっくり出来て楽しかったと話してみえたよ。」
「はい祐樹さん、お茶をどうぞ。
それで、会社の話し、絵美からはまだ具体的には聞かされてないのでしょ。」
「はい…、えっと…、自分はその…、どの様にお呼びすれば良いのでしょうか?」
「私の事?」
「ええ。」
「そうね、恵子で良いわよ。」
「では、恵子さん、絵美が考えてるのは、モデル事務所関係では無いのですか?」
「ふふ、絵美、ばれてたみたいね。」
「結論が出るまで公表するのは良くないと思って内緒にしてましたのに。
祐樹さま、高校生起業の事は柿川へ越して来る前から少し考えていたのです、ここでなら有りかなって。
事務所の拠点は東京ですから、祐樹さま達に加わって頂く事を考えている内に繋がりまして…。
お母さま、高校生の会社として、私達のマネジメントを行う会社の設立、考えて下さいましたか?」
「ええ、お好きな様になさい、ねえ、あなた。」
「ああ、吉松社長は、何をする会社かまだ分からないが応援すると話して下さった。
それだけ祐樹くんを信頼しておられるのだろう。
そんな話を年寄り連中にすれば資本金はすぐ集まる、足りない様なら私が出すから安心しなさい、後は祐樹くんのご両親次第ということかな。」
「うちの両親は、自分の可能性を伸ばす場として高校生会議での実習を勧めてくれています。
でも、研究所の一所員に過ぎませんので資金面は難しいです。」
「許可さえして頂ければそっちの心配はいらないよ。」
「実際のところ、資本金はそれ程必要ないかも知れません。
契約に関する事などをレクチャーしながら進めてくれる人の報酬などが確保出来れば、あと…、事務所は自宅でも良いのですよね?」
「ああ、土地が安かったから無駄に広い家を建ててしまった、事務所はうちの二階を使ってくれないか。
遥香システムを使うから事務所はそれ程必要ではないかも知れないが、友達を呼んだりとか好きに使えば良いよ。」
「有難う御座います。」
「社員の目途はどうなんだ?」
「正直言って絞りこむのが…、入社試験をする事になるかも知れません。」
「そうか、まず一次の書類審査を厳しくして幹部候補の募集かな。」
「事業規模をどれぐらいまで拡大して行くかにもよりますよね…。
まあ、具体的な話はこれからという事で、とりあえずは絵美がくつろげると良いのですが。」
「私は大丈夫ですよ。」
「自分ではそう思っていても、慣れない事が毎日続いて緊張の連続だっただろ。
来週はミニコンサートも有るのだから、ゆっくりする時間も大切だよ。
色んな事が始まったばかり、先は長いのだからね。」
「はい…、でも祐樹さま、すぐ帰るなんておっしゃらないで下さいね。」
「はは、そんな心配しないでシャワーでも浴びてラフな服と着替えたら。
それからゆっくり夕食で良いだろ。」
「はい。」
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