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神沢祐樹-33 [高校生会議2-12]

「…、そうか絵美さんは外見だけでなく中身も魅力的なんだね。
そんな子だから千恵ちゃんも応援する気になったんだ。」
「はい、でも絵美は高一で初恋ですよ、遅いと思いませんか、まあそこが可愛くも有るのですが。」
「女子校だとそういうものなのかね。」
「絵美さんは会社経営に興味あるそうだけど、千恵ちゃんはどうなの?」
「私は岩崎高校生会議の一員として、先輩方が設立された会社のお手伝いしながら学ばせて頂ければと考えていました。」
「裏方?」
「多田さん、社長だけで会社は成り立ちませんよね?」
「はは、その通りだ。」
「その…、皆さんに教えて頂きたいのですが、私は高校の先輩方が設立されたという会社に興味が有ります。
でも、今日のイベントでは紹介されていなかったのです。」
「絵美さん、新入生には早いからなんだよ。
メインの会社は遥香コーポレーションがバックについてくれた事も有って、今は持ち株会社みたいな形になったんだけどね。
その下に、小さな会社が幾つも存在しているんだ。
この春、三つの会社は社員の進学を機に解散したが、それも研修の一つになった。
残ってる会社は、これから新入社員の募集を始めるだろう。
今日のイベントでも、実際に会場の一部は高校生社長の会社が担当していた筈だよ。
君等に声が掛かるのは君達が遥香システムをある程度扱える様になってからかな。」
「そういう事ですか。」
「でも、君達で会社を立ち上げるのも有りなんだよ。
部活の延長みたいな感覚で楽しくやって欲しいかな、社会の厳しさを知るのは学校を卒業してからで良いのだから。
まずは遥香システムで岩崎高校生会議の事を良く知る事だね、合唱部は研修を始めたんだろ?」
「はい。」
「何を扱う会社でも構わないが、学校生活や会社実習の合間に余裕を持って出来るレベルでな。
絵美さんは何かやってみたい事は有るのかい?」
「はい、事情が有ってまだ具体的にお話出来ませんが、準備が整ったら相談に乗って頂けますでしょうか?」
「もちろんさ…、なあ吉松、白川氏にも絡んで貰って、今の持ち株会社とは別組織を構築すべきではないか?」
「そうだな…、絵美さん、研修的な部分は高校生会議が協力するが、資本面では先輩方の持ち株会社傘下に入らないというのはどうかな?」
「問題有りませんが、何か理由が有るのですか?」
「競争相手がいる事は良い事なんだ、ねえ松永さん。」
「そうですが…、柿川のアイドルをボーイフレンドにしたのですから、ライバル関係にしてしまうと、絵美さんへの風当たりがさらに強くなりませんか?」
「大丈夫です、祐樹さまを代表取締役社長に、私はその陰に隠れていますから。」
「はは、すでに作戦を練っているのだな。」
「まだ、これからです。」
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