神沢祐樹-20

「絵美、ミニコンサートに遥香システムの講習と、やる事が急に増えてしまったが大丈夫か？」
「もう、ワクワク、ドキドキが止まりません、高校生活がこんな形で始まるとは想像していませんでした。」
「はは、そうだな、俺もだよ、遥香システムの講習はもっと後だと思っていたんだ。
でも先輩の話しでは学習関連でも、高校生会議で実験的に行ってる事の一部を我が校で試験導入する話が有るそうなんだ。」
「特別なのですか？」
「ああ、この高校は遥香さまが籍を置かれていた事があるし、何と言っても柿川の岩崎高校生会議第十七支部は全国的に見て最も活発な支部の一つ、この高校は岩崎が関係し始めて偏差値が一気に上がった事でも有名、だから自然な流れだとは思うけどね。」
「そうでした、色々楽しみです。
学習や部活から無駄を減らす代わりに、人生を豊かにするためのゆったりとした時間を大切にすると入学案内で読みましたが、ミニコンサートのお話を伺いながら、そのことを実感しました。」
「でも、君は忙しくなりそうだね。」
「いえ、歌に取り組んだり、遥香システムの講習を受けさせて頂くのは楽しい時間です。
今はこうして祐樹さまとゆったりお話しさせて頂いております。
中学の時には考えられなかった事で、このままこの時が続いたらと心から思っています。」
「うん、始まったばかりだけど、俺達の高校生生活を充実させよう、明日からは授業も始まるしね。」
「はい、祐樹さまは家庭での学習も効率的になさっているのですか？」
「まあね、兄貴にアドバイスして貰ったし自分なりにも考えた、絵美は？」
「自分なりに工夫してきましたが、この機会にもう一度見直してみようと思っています。
祐樹さまは予習されていますか？」
「ああ、教科によって色々だけど、英語なんて実際に使う事を考えたら高一で何を学習とか関係ないだろ、理科や数学は中学の学習内容と関連する所を高校のテキストを見て理解を深める様にして来たよ。」
「そうですか、私より効率の良い考え方ですね。
私はテキストの順番に、でもこれから使うのとは違うテキストでしたので、それが良かったのかどうか分かりません。」
「英会話は？」
「両親が実際に使う機会を作ってくれましたので日常会話程度は大丈夫です。」
「じゃあ、気が向いた時は英語で会話しよう、下手でも間違っていても使わないと身に付かないでしょ。」
「そうですよね、うちで海外からのお客様をおもてなしする時は是非いらして下さい、両親も喜ぶと思いますので。」
「有難う、是非お願いするよ。」
「ふふ、社交辞令ですか？」
「いや、真面目なお願いだ。」