SSブログ

神沢祐樹-15 [高校生会議2-10]

「お早うございます祐樹さま、昨日は有難う御座いました。」
「おはよう、髪型少し変えたんだね、それも似合ってるよ。」
「有難う御座います、身体測定に合わせてみました。」
「う~ん、その髪型と身体測定がどう結びつくのか良く分からないが…。」
「それより身体測定は男女別なのですね、共学校の慣習なのでしょうか。」
「はは、慣習だろうね、ねえ佐伯さん、白川さんはこんな調子だから一緒に行動して上げてよ。」
「はい、間違いの無いように気を付けます。」
「絵美、佐伯さんは素敵なソプラノなんだよ。」
「よろしくお願いします、私は合唱部に入部希望なのです。」
「はい、知ってます、優香ちゃん情報が広がっているのですよ。」
「そうでしたか、優香さんは下手に隠すより正直に話した方が友達を作り易いと話して下さいました。」
「御免ね、クラスのみんな、取り敢えず同じ中学からの知り合いとくっ付いちゃっていたから、白川さんが独りぼっちになりかけているのに気付けなくて。
でも祐樹くんと二人でデートなんて、めちゃ羨ましいのだけど、今まで優香ちゃん以外の女の子とデートしたという話は聞いた事が無いのよ。」
「祐樹さま、本当なのですか?」
「まあね。」
「私は嫉妬に狂った人に刺されたりするのでしょうか?」
「ふふ、そうならない様に協力するわよ、男どもの注目の的でも有るし。
合唱部希望なら午後の部活体験は合唱部なのね?」
「はい、そのつもりです。」
「では一緒に行きましょう、祐樹くんは?」
「ああ、一緒に行こう。」
「あらっ、祐樹さまはバスケ部では無いのですか?」
「バスケ部は体験しなくても分かってるからね。
学校の合唱部は初めてなんで体験は合唱部にしたのさ。」
「合唱部にも入られるのですか?」
「うん、バスケは対外試合無し、合唱はコンクールより楽しむ事を目的とした、Bクラスに決めたからね。」
「という事はAクラスと二つ有るという事ですか?」
「人気の有る部活はね、バスケ部に入っても誰しもがレギュラーになれる訳ではないし、他校のチームに勝ちたいという人もいれば単にゲームを楽しみたいという人もいる。
合唱だって、より高みを目指す人が居れば、単に歌を楽しみたいという人もいる。
以前はそんな人達が一緒にやらざるを得ない部活だったのだけど、部活改革の一環で緩やかに分けたんだ。
まだ試行錯誤の段階では有るけど成果は出ているよ。」
「そうでしたか。」
「絵美は部活関連の資料、まだ見ていないのか?」
「はい、初めての事ばかりで気持ちに余裕が無くて、部活は合唱と決めてましたから気にしていませんでした。」
「白川さんが落ち着かないのは無理もないわ、初めての共学なんでしょ。
しかもいきなり祐樹くんの隣だもんな、ねえ、祐樹くんは先生が席を細工したと思わない?」
「佐伯さんもそう思うか?」
「自分では美少女転校生をフォローし切れないと判断したと思うわ、でも…、共学校最初の出会いが祐樹くんでは他の男子生徒が引かざるを得ないと言うか…、それが白川さんにとってラッキーかどうかは祐樹くん次第ね。」
「俺としては、お友達になって下さいますか、と問われて断る理由が無かったのだが。」
「あっ、友達以上を求めて友達にも成れなかった人が大勢いたのか…。」
「はは、佐伯さんは児童合唱団時代からの友達だよな。」
「う、うん、そうよね…。」
「お二人はそういう仲だったのですね。」
「ああ、少なからず迷惑を掛けてしまったがな。」
「あれは、祐樹くんが悪い訳では無かったもの、もう気にしないで…、あっ先生よ、席に着きましょう。」
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。