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神沢祐樹-14 [高校生会議2-10]

「優香、イチゴ食べていいぞ。」
「やったー、祐兄、有難う。」
「ふふ、ほんとに仲がよろしいのですね、優香さんから見て祐樹さまはどんなお兄さまなのですか?」
「このまんまですよ、何時も恰好良いのです。」
「お小さい頃から?」
「ええ、優しいし。」
「はは、基本、両親の育て方が良かったのだろうと思うよ。
うちは判断基準が恰好良いか悪いか、なんだ。
恰好良い事なら積極的にする、恰好悪い事はしない。
小さい頃から自分を客観視するトレーニングを受けて来たと言えるのかな。
妹に優しいのは当たり前だが、他の子に対する時も恰好悪い人にならない様にね。」
「優香さんが素敵なのもその様な環境が有ったからなのですね。」
「う~ん、素敵な中学生に成れていますか、私?」
「ええ、とっても。」
「有難う御座います、私は小学生の頃に読んだ本にも影響を受けて、主人公の女の子に憧れていたのです。
山間の町に都会から越して来た子が、みんな恰好良くなろうって、小学校のみんなに呼びかけて、いじめの無い学校を目指すお話しです。
兄二人がそれを自分達の周りで実践していましたので、私もって。
簡単では有りませんでしたが、優しい友達は増えました。」
「そうですか…、私は恰好良く成り切れなかったのかしら…。」
「恰好悪いクラスメートがいたのですか?」
「まぁ…、でも私自身が至らなかったのだと思います。」
「さすがに高校ともなると素直で純真な奴らばかりとは行かないだろうが、楽しいクラスにしたいものだな。」
「はい、祐樹さま、ご指導お願いします。」
「お兄さま、やはり中学とは違いますか?」
「どうだろう、まだ始まったばかりだからな、まあ兄貴がいるから安心だけど。」
「ご兄弟がいらして本当に羨ましいです。」
「そっか、絵美さんは一人っ子でしたね…、ふふ、妹の候補ならここに一人いますよ。」
「優香、大丈夫か、絵美お姉さまとの話題は社会問題なんだぞ。」
「私だって少しぐらいは…、え~っと、市議会の議場に赤ちゃんを連れて行って問題になってるとか…。」
「優香はそのニュースに接してどう感じた?」
「議場に赤ちゃんってどうかなって、演奏会とかでは普通だめでしょ。
でも、何か引っかかって…。」
「子育てしながら働いてる方の環境問題を感じさせられませんでしたか?」
「あっ、そうか…、微妙な問題なのかな。」
「俺は、議会のシンボル的存在として有りだと思うな。
議員さん達は自分の利益の為ではなく市民の利益を考えている筈、まあ怪しい人が少なからずいるみたいだけどね。
議会に幼子がいる、その事が議員達にとって、自分達はこの子の将来を考えた政治をしなくては行けないのだとの確認出来る存在になると思うんだ。
子どもがいたら相手を恫喝するような話し方を控える様になるだろうし、たまに泣いてくれれば、寝ている議員さんが起きるんじゃないか。」
「面白い発想ですね、議員さん達にそれだけの心の余裕が欲しい気がします。」
「でも、みどりの風が議席を伸ばしてる所なら問題なさそうな気がするわ。」
「うん、そうだな。」
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