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神沢祐樹-13 [高校生会議2-10]

「絵美、慣れない事で疲れたろ、この個室には他の客が近づけないから安心してね、今日みたいな日に時々使わせて貰ってるんだ、ここはメニューが豊富でおいしいしね。」
「はい、それにしても熱気がすごかったです、祐樹さまの人気の高さを実感させて頂きました。
あの店とは契約なさっているのですか?」
「いや、特には。」
「店としては大きな集客に繋がっています。
アイドルでは無いとおっしゃっていましたが、祐樹さまのお買い物は店のセールスイベントとして成立していました。」
「そうか、アイドルに近い事をしていたのかな。」
「そうです、わざわざアイドルを名乗る必要は有りませんが、スタッフを置いて準備しておけばもっと円滑に進むと思います。
飲食店のポスター撮影も、お店の看板になるのですから、きちんとした契約をしておくべきです。」
「そういう事も必要なのか…。」
「よろしかったら、優香さんとお二人、私の事務所所属となって下さると嬉しいのですが。」
「えっ、私もですか?」
「ええ、トークも素晴らしかったです、ただ多額の報酬をお約束する様な事では有りません。
学校生活の合間の事ですし、先方から頂いたギャラはスタッフの給料や事務所の維持費などにも使わさせて頂く事になりますので。」
「当然だね、優香どうだ?」
「そうね、お金の問題では無く、お兄さまが落ち着けるのならそれが一番だわ。」
「一度担当者から、ご両親を含めた形でご説明させて頂けると良いのですが。」
「うん、相談しておく、返事は明日学校でするよ。」
「いえ、出来れば学校ではなく担当者とまずは電話連絡でお願いしたいのです、私も事務所に話を通しておきますので。」
「お兄さま、遊びじゃないですし、クラスの方には内密に話を進めた方がよろしいかと。」
「そうだな、じゃあメールを入れるよ。」
「はい。」
「あっ、お兄さまは絵美さんとメアド交換を?」
「ああ。」
「絵美さん、その事は絶対に秘密にして下さいね、家族と限られた先輩以外知らないトップシークレットですから。」
「はい、両親も心得ています。」
「へ~、そうなんだ。」
「優香さんも両親に紹介させて頂きたいです、中二になられたばかりで堂々のトーク、どこかでトレーニングなされたのですか?」
「いえ、上手な人の真似をしているだけで、そうですね六年生の頃から兄に群がる中高生を相手にしている内に慣れました。」
「集団の心理を巧みに動かすと言いますか。」
「うん、集団心理については先輩方に教えて頂いて研究した事が有るんだ。
ファンの皆さんの心理をくすぐるというかね、例えば俺のファンはマナーの良い人ばかりなんだど情報を流して貰った。
実際はそうでもなかったのだけど、それからは横の繋がりの中で互いにマナーを良くしようとしてくれる様になった、まあ治らなかった子達は先輩方から教育的指導を受けたみたいだけど。
結果的に市内のマナーが向上したとの評価を先輩方はしておられるよ。」
「影響力が有るのですね。」
「そうなのです、ファッションでも。
今日はお兄さまのファッションに対して絵美さんは少し年上の感じ、私は妹だったでしょ。
来週町を歩けば、私達と似た感じの人達に沢山出会う事になりますよ。」
「あの場にいなかった人達にも情報が伝わるという事ですね。」
「はい、みんな頭の中でお兄さまと並んで歩く気分になるのでしょうね。」
「では店の売り上げはかなりの物になる訳ですね。」
「ええ、ですからお礼として色々頂いています。」
「その部分をビジネスライクに出来ればお店としても安心かもしれませんよ。」
「うん、そうだと思う、今まで中途半端だったのかもな。」
「そうね、これからお仕事となると…、お兄さま抜きで買いに行った服は誰も真似しないからな~。」
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