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板垣千景-39 [高校生会議2-08]

「千景くん、君のお陰で用地買収の目途が立ち、長年の懸案事項だった交差点改良工事が進むと皆喜んでいるよ、有難うね。
その関係で市役所へ来る回数が増えてる様だったが学校の方は大丈夫かい?」
「はい、高校卒業の目途は立っています、今は大学の先生に論文を書く基礎を教えて頂いてまして、今から準備して置けば単位を取るのが楽なんだそうです。
市政改革をテーマに書いてるという訳ですのでご安心下さい。」
「それもスーパー特別推薦入試が有るからこそ経験出来るという事か、現場の実情は大学教授より分かっているのだろ。」
「そうですね、大臣を始め私の周りは生きた教材ばかりです。」
「市の幹部が、千景室長から多くを学ばせて頂きましたと、喜んでいたよ。」
「皆さん行政改革に取り組む意識は高まっていたのですが、実行に移すとなると旧来の手法が頭から離れなかった様です。
それで地域政党時代から行政改革に取り組んで来た自治体の実践を紹介させて頂きました。」
「それぐらい自分で調べて欲しかったな。」
「市長が交代し、遥香システム導入と、戸惑われる事が多かったのでしょう、逆に急ぎ過ぎて失敗されるより良かったと思います。
ここまでの改革、市長としては成果をどう判断されていますか?」
「概ね好評だからね、問題が有ると市が動く前に岩崎高校生会議が解決してしまう事もある。
職員の話しでは前市長時代とは比べ物にならないぐらい、市民の方々が地域環境に興味を持って積極的に取り組んで下さっているそうだ。
私はあちこちのサークルに参加させて頂いているのだが、そこの参加者に、何か問題が有れば教えて下さい、と問いかけると、市長にお願いする前に解決出来るそうな事ばかりだと返って来るよ。
大きな案件が進行中だという事は市民の方々も承知して下さっているみたいでな。」
「そうですか、でも社会活動が活発でない方ほど市政に疎い様で、お年寄りの為の福祉事業が充分活用されてない一面が有ります。」
「広報の問題かな、しかし…、分かり易く作ってあっても、そもそも読まない人がいるからな。」
「はい、その辺りは民生委員、保健委員の組織を拡充する事でカバー出来ないかと試案を作成して貰っています。」
「彼等には今でも随分お世話になっている、負担は増やしたくないのだが。」
「まずは高校生会議メンバーがサポートしながら仕事の全体像を探り、効率化を計る。
その上で人員数が適正なのかどうかを含め問題点を洗い直し、遥香システムでの管理が出来たらと考えています。」
「う~ん、そうだな…、市の職員だけでは手が行き届かない所を担って頂いているが、費用が嵩んでも拡充出来れば安心感が違う、市の関係部署へは?」
「市長が了承して下されば、すぐにでも。」
「分かった、そこが押さえられれば福祉関連で残っている問題は解決しそうだな。」
「ええ、そうなれば大事業、古い市街地の区画整理に落ち着いて取り組めますね。」
「古きを残しつつ道路を拡張、商業農業工業などバランスの取れた地方都市を目指して、完成するかどうか分からない事業だが、子孫の為になると信じてやるしかないのだよな。」
「岩崎関連の企業が入る事で新しく開発された地区は道路も綺麗で快適ですから、少なくとも若い世代の方は受け入れて下さると思います。
古い市街地は道幅も狭く火災時に充分な消火活動が出来るかどうか怪しい所もありますから、多少の反対が有っても説得出来ると思っています。」
「手伝ってくれるのか?」
「もちろんですよ、反対派と向き合う事で政治家としての力量が試されると考えていますので。」
「はは、頼もしいね、市長の後継をお願いしたい所だけど、やはり国政を目指して欲しいかな。」「まだ、うんと先の話ですよ。」
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