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板垣千景-09 [高校生会議2-05]

報酬も発生する竹本社長のブレーンとなってからは、多くの人と話し合い組織固めをして来た。
私の様な高校生の小娘で良いのかと思う事も有ったが、私利私欲とは無関係とのイメージが強く、好感を持たれているそうだ。
実際、皆さんは協力的だった。
選挙の準備も始まり忙しく過ごしている間に、誠は大学の春休みとなり帰って来た。
冬休みにゆっくり会えなかったのは彼が試験を優先したから。
でも、その結果が良かったそうで四月からは新設の岩崎学園大学柿川校に通う事が決まった。
これから近くで暮らせると思うと、思いっきり嬉しい。
誠には遥香システムを教えて貰っている。
高校生会議では私を含めた一部のスタッフだけが昨年末から研修を受け始めた。
基礎はそれ程難しくないが先を考えたらしっかり使いこなす必要が有る。
彼は大学でしっかり学びながら使っていて、かなりの応用まで把握している、頼もしくて惚れ直してしまった。

この春、みどりの風は大きく動き始めた。
岩崎高校生会議が国政政党を目指すみどりの風の正式な支持母体となった、それに伴っての遥香システム本格導入。
この流れを苦も無く乗り切れたのは誠が手伝ってくれたからに他ならない。
さて、みどりの風と一口で言っても国政政党を目指す全国組織、地域政党として各地で作られた組織…、各地と言っても県政と市町村では動きが異なるし、もちろん政治が関係する分野は多岐に渡る訳で、すでにかなり複雑なものになっている。
私達は、この状態を遥香システムでカバーし整理して行こうと考えている訳だが…。

「千景、遥香システムの市政関連は随分作業が進んでいるが大変じゃないのか?」
「それ程でもないのよ、前から有る組織をシステムに落とし込んで行く事が中心、全国的に作業が進む頃には、こちらの体制は固まっていると思うわ、誠が手伝ってくれてるし。
柿川市の組織を他の市町村のお手本にするという事で協力体制が充実してるからね。」
「それにしても…、システム上ではみどりの風市政部会の実質的なトップになってしまって、自分が娘より随分下の立場になるとは思ってなかったよ。」
「それでも重要なポジションなんだから手を抜かないでね。」
「もちろんだ、しかし遥香さまをきっかけに高校生を重視する風潮が随分広まったな。」
「そうよね、私なんて凡人なのに。」
「凡人なのか? 私等夫婦は鳶が鷹を生んだと散々言われてるがな。
まあ、若者が活躍できるのは良い事だと思うよ。」
「遥香システム導入の効果として、若手が組織内で大きな顔を出来る様になったと感じてるわ。
もちろん年齢関係なく使えるシステムだけど、応用は流石に若手に叶わないでしょ。
結果として偉そうにしていたお年寄りの立場が弱くなったって、竹本さんも喜んでみえたわ。」
「そうか、千景を要職に就けて下さったのも大きなお考え有っての事なのだろうな。」
「ええ、政治は国の将来を支える若者の手で進めて行かなくてはいけない、先の見えないご老人の手に何時までも委ねていては国自体が更に老いてしまうと話して下さったわ。」
「成程な。」
「その事を私の口から訴える事で若者達を動かして欲しいとも。」
「あっ、千景のカリスマ性を高めようと…。」
「私の責任は重くなってるの、竹本さんが考えてみえるのは、明日の世界は私達が作って行く、その土台を作って行くのが大人の役割だそうで。」
「はは、当たり前だろ俺達は娘たちがより良い人生を送れる様に、その為にはより良い社会であることが大切だろ。」
「う、うん。」
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