SSブログ

鍵山昇-04 [高校生会議2-04]

学習会への参加を決めたのは、学習会の後でスタッフ会議が開かれる事と夏休みの課題を一気に進めたかったから。
家では誘惑が多過ぎて学習に身が入らない。
実際、十五人程の参加者全員が黙々と学習に取り組んでいる環境は学習に集中出来た。
学習時間が終わって話し掛けてくれたのは井上さん…。

「鍵山くん、課題は進んだ?」
「はい、一気に進みました、自分は皆さんと違って優秀でないので、間違いが多いかも知れませんが。」
「あらっ、私だって優秀じゃないわよ、自分で決めた目標はクリアしてるけど…。
そうね…、優秀な高校生では無いけど有能な労働者になるつもりよ、私は。」
「あっ、太一さんも同じ様な事を話していました。」
「高一の頃にみんなで出した結論だからね。
何の為の学習なのか、私達は大学に入学する事を目標にしてないの、岩崎関連なら学歴より実力重視、歴史の成績が悪くても企業の売り上げアップに貢献出来れば良いのよ。」
「そんな事を高一の頃から考えていたのですか…。」
「そうよ、その中心が久兼剛太リーダー、あのルックスに憧れてる人は多いけど私達は人柄や能力を含めて尊敬しているわ。」
「はい、遠い存在です…。」
「ふふ、それで神、剛太リーダーが見守る、異世界惑星の設定は…、あっ、会議が始まるわね。」

「じゃあ始めるよ、鍵山が簡単な設定を決めてくれたのに対して、ワークシート上では反対が無かったけど、そのままで良いのかな?」
「たぶん良いと思う、ただ正式運用開始日を決めて、それまでに不都合が有ったら修正して良いと思うわ。
逆に言えば、正式運用開始後の大きな設定変更はして欲しくない、そうなると町を壊滅させるとか、あまり起こしたくないイベントを発生させるしかなくなるでしょ。
それは避けたいから矛盾点は徹底的に洗い出しておきたいわね。」
「うん、どうでも良い事かも知れないけど、時間、重力と言語。
異世界は別次元の地球に相当する惑星、だから一年は三百六十五日、一日は二十四時間、重力も地球と同じという設定にして置いた方が良いと思う。
SF映画に出て来る、地球外の惑星では無視してるのも有るけど、重力は天体によって異なる筈、そこで生活していたら当然人体に色々な影響が有ると思うんだ。」
「そうか、パラレルワールドに存在するもう一つの地球、但しうんと昔に別の進化を始めたという感じかな。」
「何にしても、変な設定にしておくと先々面倒な事に成りそうなのね。
でも大陸の形は地球と変えるのでしょ。」
「そうだね、地球の歴史とは大きく変えたいと思うよ。」
「まだ正式運用開始日を決める段階でもないから色々検討しよう。
それで、皆がワークシートを、ホームページに相当する形で始めて良いと思うんだ。
鍵山が作成しているのは神殿の神官とかにしてね、他のメンバーは街づくりを担う役職に…、移住者管理局とか、まあシミュレーションゲームの始まりって事かな。」
「そうね、何でも有りで始めてみてから考えれば良いわよね。
上位管理者を鍵山くんに設定して始めましょう。」
「えっ、僕?」
「現時点で唯一のワークシート管理者だからな。」
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。