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鍵山昇-03 [高校生会議2-04]

異世界のバーチャル惑星を構築して行く作業に係わる事になって、高校生会議のメインスタッフと話す機会が増えた。
彼等は僕が内向的な事を理解して気を遣ってくれる。
今年度は久兼リーダー中心に優秀な人達が積極的に係ってるとは聞いていたが、それが間違いで無い事が良く分かった、頭が良いだけでなく人間的にも自分とは比べ物にならないレベルで良い人ばかりだ。
類は友を呼ぶという事だろうか。
彼らとの話は緊張するが…。

「鍵山、スタッフで学習会を開いてるのだけど参加してみる?」
「い、いえ自分なんか皆さんについて行けそうに有りませんから。」
「いや、鍵山はバランスが悪いみたいだけど、総合的に見て近い成績の奴もスタッフにはいるよ、時には教え合ったりしながらやってるんだ。
一人で夏休みの課題をこなすのも良いけど、ちょっとした気分転換になると思うよ。」
「気分転換ですか…、太一さんは成績優秀と聞きましたが、高校生会議にかなりの時間を掛けてるのですよね、学習時間は充分なのですか?」
「はは、俺達の中にがり勉はいないよ、皆、それぞれのペースを守って、学校の学習に時間を掛け過ぎない様にしているんだ。
時間を掛ければよりレベルの高い大学に合格出来るかもしれないが、それだけの事、その時間を高校生会議に費やす事の意味は大きいんだよ。
俺達の目標は大学に入る事では無く、将来どんな職場でどんな仕事をするか。
だから馬鹿みたいに受験勉強している奴らとは就職した段階で大きな差をつけられると思う。
でも、高校生だからそれなりに学校の学習にも取り組まないとね。」
「メインスタッフの方々は皆さんその様に考えておられるのですか?」
「まあね、効率の良い学習計画を立て実行して行く事は就職後に向けてのトレーニングでも有る、というのが共通認識かな。」

高二にして就職後を考えているとは思いもしなかった。
ぼんやりと進学を考えていた自分にとってはちょっとショック。
自分も少しは考えないといけないのだろうか…。
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