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久兼剛太-07 [高校生会議2-01]

自分のチームには十人のサブリーダーがいる。
加藤先輩のサブとなった時点で彼等と相談した。

「まずは他のチームには俺達がして来た事を説明しようと思うんだ、どう組織を構築して来たかね。」
「そうね、それが一番の早道、上手く行ってないチームは組織についての根本から剛太さんの指導を受けるべきだわ。」
「ただね、俺だけでなく皆にも他チームに係わって欲しいのだけど、どうかな。」
「剛太の説明は分かり易いし説得力が有るから、俺達が出るまでもないと思うが。」
「いや、みんなだって今回はサブだけど普通にチームリーダーに成れる人ばかり、他チームとの交流は互いにプラスに成ると思うんだ。
組織ってやはり人と人だろ、各チームのリーダー、サブリーダーと協力関係を築けたら、今後の高校生会議が楽に運営出来るだけでなく、将来、就職して仕事をする上でもプラスになるかもしれないと思わないか?」
「流石我らがリーダーだわ、そこまで考えているなんてね、で、具体的にはどうするの?」
「基本的な部分は文章を送るけど、文章だけは伝わりにくい部分も有るだろ、そこを手伝って欲しい。
二つのチームは早急に動かないと間に合わなくなるかもしれないんだ。」
「はは、俺達は余裕が有り過ぎて物足りなさを感じてるぐらいなのにな。」
「まあ、人を活かせてない訳さ。
一つのチームはチームリーダーが的確な指示を出せてなくて、自分で色々抱え込んでいるんだよ。」
「剛太さんがポイントに挙げた作業分担が出来て無い訳ね、サブリーダーはどうなの?」
「チームリーダーに対して意見を言うだけの人がいないみたい、ただ力の有る人はいる筈だろ、始めに役割分担の調整をした時、各チーム間のバランスを取った訳だから。」
「トップの差なのね、それならチームリーダーが抱えている仕事を全部サブに振り分ける所から始めれば良いのでしょ。」
「ああ、その作業を俺からの指示という事で進めてくれると助かるのだけど、頼めないかな。」
「ふふ、私が何か言われたら剛太さんからの指示だからと言えば良いのね。」
「ああ、問題点も俺が指摘していたと話せば…、俺が直接話すより受け入れて貰い易いと思うんだ。」
「なるほどね、でも指示系統は構築出来るかしら、そのチームリーダーで…。」
「リーダーの副官として動いてくれる人がいたら実務をその人に任せて、リーダーは飾りにしても良いと思う、人気は有るのだから彼からの指示とした方が効率的かも知れない。
だが、すでにリーダーとしての資質をサブリーダー達が疑って立場が弱くなっているのなら交代という選択肢も有るね。
相談して貰って揉める様なら俺の出番かな。」
「場合によっては私達の中からリーダーを選んでも良いかしら?」
「そうだね、向こうのサブリーダーの事は良く分からないが、状況を改善しようと考える人がいないとか、状況に気付いてないレベルならチームリーダーは任せられないね。
もう一つのチームも同様でいいかな。」
「そっちはどんな感じなんだ?」
「チーム編成時に目立って無かった人が、チームリーダーよりも才能を発揮してしまいギクシャクしているみたい。」
「ギクシャクか…、それじゃあロスも多いだろうな、まずは仲裁に入って調整ってとこか…、剛太、俺達はどう別れる?」
「問題の有るチームに三人ずつ、残りの二チームも三人が担当して、交流を図りたいと思うのだがどうだろう。」
「分かった、なら分担を決めよう。」

ここまでチームの組織構築をする上で、サブリーダー達は管理職だという意識をチーム全員に持って貰った。
そして、サブリーダーを部長とするならば課長、係長に相当する人も作った。
平社員に相当する人達には、次の機会に希望すれば違った立場を経験する事も可能だが、それには組織について理解を深めて貰う必要が有ると伝えてある。
会社組織を体験する場としての考えを、サブリーダー達が支えてくれた結果、多少の問題が起きても簡単に解決し、俺達のチームは順調に準備作業を進めて来た。
そんな訳でチームにはかなりの余力が有ると言う訳だ。
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