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久兼剛太-06 [高校生会議2-01]

組織固めをして行くプロセスは面白かった。
先輩からの助言は会社の組織運営に基づくものだが、会社と同じにする必要はないと言われた。
それでも、指示系統と言った感覚は中学の生徒会ではあまり考えていなかった事で新鮮だった。
同学年で有っても指示を出す人指示を受ける人が、その立場を明確に理解していないと作業効率は悪くなる。
先輩がトップリーダーをしてくれるが、その下にピラミッド型の組織を形成して行くのは同学年の仲間達。
自分は、夏イベント一年生担当企画、その五つある中から一つのチームのリーダーになった。
チームは個人の負担を減らす為と組織を経験する意味あいが有って多人数で構成されている。
他のチームは人気の有る人達がチームリーダーとして各作業チームをまとめている。
だが、人気が有っても実力が伴わない場合も有る。

「剛太は人気も実力も有って助かるよ、担当チームに問題は無いだろ。」
「はい加藤先輩、夏イベントに向けての担当内容は計画通りに進んでいます。」
「いや、俺の目から見て、色々な意味で予定以上だと思うな。
チームリーダーとして何か気を付けている事は有るのか?」
「そうですね、父からの助言ですが、雑事を自分で持たない様にして、メンバーのトラブルに対処する、高校生の組織なら、そういう存在が効率を上げるのだそうで。」
「さすがだな、雑事は茜に任せているのだろ。
その辺りのバランスが分かっていないチームはなかなか作業が進まなくて、まあトレーニングの一環だから、失敗を通して学習してくれれば良いのだがな。」
「でも、準備が間に合わないというのは問題ですよね、応援に入りましょうか?」
「そこまでの余力が有るのか?」
「チームの皆とは組織作りと運営について話し合っています、人数は元々多目ですから、他のチームの例を研究させて貰う事には賛成してくれると思います。
実を言うと助言を求めて来ているチームリーダーもいまして、一応メインリーダーの加藤先輩に話を通してからと言って有りますが。」
「はは、頼られている上に卒がないね…、うん、では少し相談しよう。」

加藤先輩とは他チームの状況について話し合った。
同学年の事なので、三年生の先輩より沢山見えている部分も有る、加藤先輩は先輩自身のサブになって欲しいと話してくれた。
自分は、他チームの現状も有る程度把握していたので、夏イベント一年生担当企画全般のサブリーダーとして、一年生チーム全体にも気を配る事を承諾した。
先輩が俺をサブとする理由を全員に伝えてくれ、皆が納得してくれた事は正直嬉しかった。
上手く回ってないチームの立て直しはやりがいが有りそうだからだ。
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