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岩崎高校生会議-50 [高校生会議-21]

生まれながらにして悪人という人はいないと思う。
成長の過程でその環境によって、集団社会との係わり方が決まって行く。
そして社会集団は利害関係によって争ったり協力したりしてきたのだが…。
女神の力を感じ安らぎを得た世界中の人達が、ボーダーレス教の教えを守る様になると、世界がバランスのとれた状態へと大きく変化した。
人々は良く働き良く遊ぶ、人を騙して金儲けしようとする人はいなくなった。
働きたくても働けない弱者には安定した生活を送れるだけの援助。
全ての子ども達は集団社会全体の子として尊重され大切に育てられている。

「遥香さま、社会の仕組みが根底から変わりましたが、人類はこれから何を目指せば良いのでしょうか。」
「生物の本能に従うのなら、より優秀な子孫を残し拡大して行く事になるわね。」
「砂漠の緑化が進んでいますから、人口増加には対応できると思います、しかし無限では有りません。」
「海中都市の建設実験は順調に進んでいるでしょ。」
「はい、ですが大勢で住むのには向いてない気がします。」
「そうね、でも長期に渡って宇宙船で暮らしたり、地球以外の天体で暮らす第一歩では有るのよ。」
「火星への移住とかですか?」
「人類が滅亡しない為の保険を掛ける事は子孫に対する義務ではないかしら。」
「えっ、そんな事は…。」
「私に女神の力が宿ったのは、地球が大きく汚される前に、何とかしなさいという意味が有ったのかも…。
いえ、人類が滅亡する前に少しばかり夢を見させる為かもしれないわ。
でも、人類が更なる発展を遂げる為のチャンスを本当の神様が与えて下さったと思いたいわね。」
「遥香さまは他の神様とも…、その…、交流とか有るのですか?」
「全然ないわ、私はちっぽけな存在なのよ。
宇宙が膨張しているって聞いた事有るでしょ、でもどんな空間を膨張してるっていうの。
私達には絶対分からないと思わない?」
「はい。」
「地球以外に生命体が存在するかどうかも。
小さな地球上で利権争いをしていたなんて馬鹿馬鹿しい事だと思うでしょ。」
「ですね、遥香さまが降臨されなかったら、今も続いていたのでしょうか…。」
「地球を再生し直し、新たな世界へ向けて飛び立つ時なのよ、今は。
決して楽な道のりでは無いでしょうが…。」
「はい…。」
「それより今日のパーティー、準備は出来てる?」
「はい、勿論です、遥香さまがいきなり宙に浮いても違和感のない衣装を用意させました、今回は世界中に映像配信されますから、カメラマンが困らない様に特に配慮しています。」
「ふふ、美味しいワインを頂くと体が軽くなっちゃうのよね、桜はそんなこと無いの?」
「いえ、普通の人間ですから…。」
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