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岩崎高校生会議-26 [高校生会議-19]

震災からの復興作業は順調に進んでいる様だ。
碁盤目状の道路整備がインフラ整備と並行して行われている。
道路舗装が済む前に着工したのは弱者向けの総合ホーム。
お年寄りと震災孤児、母子家庭や父子家庭が協力して生活する場となる。
運営母体はボーダーレス教団にした。
すでに職員は雇用済で今は仮設テントでお年寄りや子ども達の面倒を見ながら研修を受けて貰っている。
建設関係や仮設テントにオープンした店で働くのは全員新会社で雇用した人達。
人件費の内、何割かは店の売り上げとして回収し始めているが、しばらくはパーティーで稼がないと追いつきそうにない。

「桜、被災地の雇用状況はどう?」
「少し無理して仕事を作り何とか失業者はなくせそうです、賃金はあの国の平均を少し下回っていますが、状況が状況なだけに納得して貰っています、まだ支援物資も残っていますので。」
「住宅の建設は進んでいるの?」
「はい、内装なしの状態で住み始めていますから、一軒当たりの工期が短いです。
一戸建てに住む人は、土地代も含め掛かった費用に一割加えた金額をこれから分割で払って行くと理解しています。
安く仕上げる為に、内装工事は休みの日に自分でやるという人が多いそうです。
入居を急いでいるのは、仮設テントから出る事によって自分達の家族が落ち着くだけでなく、残っている人達が仮設テントを広く使える様にして上げたいと考えての事。
集合住宅も建設を急いでいますが、欠陥住宅になっては意味が有りませんので時間が掛かります。」
「皆さんの仕事ぶりはどうなの?」
「真面目だと聞いています、巨額の支援を受けて町の復興をしているという自覚が有るそうですが、皆さんボーダーレス教の信者となって、教祖からの教えを守っています。
被災しても人心が大きく荒れていないのは、ボーダーレス教の教えが広がりつつある成果と考えています。」
「思わぬ形で広がったわね。」
「はい、周辺諸国でも遥香さまの鎮魂歌をラジオで聞いて、岩崎とは全く関係ない人が信者になっているそうです。」
「それなら、国際平和会議のエリア会議も上手く行くかしら。」
「震災時に援助した四か国と被災国ですね、五か国の関係者を城に招待する事は確定しましたか?」
「ほぼね、今は日時と各国からどの立場の人が参加するかで調整中よ。
外務大臣が岩崎高校生会議の一員という事で問題ないと思っていたら、首相や大統領の参加を検討する動きが有ってね。
代表の人数は一か国二十人ぐらいでも構わないと伝えてあるのだけど、岩崎王国の国民だけで開きたいという人もいるの。」
「岩崎王家に忠誠を誓った人ばかりなら話が楽ですからね。」
「しばらく様子を見て決まらなかったら、こちらで判断するわ。」
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