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岩崎高校生会議-17 [高校生会議-18]

一市民が神に願い、私達が取り組むと決めた二国間の懸案事項、それは領土問題だ。
大きな利権が絡む難しい問題。
小さな島一つが広い領海、排他的経済水域に関係し両国とも簡単に譲る事は出来ない。
岩崎高校生会議で二国間問題専用の遥香システムを立ち上げ二か国の主張を整理しつつ解決策を探る。
参加者はすぐに増えた。
結論が共同統治に納まったのは、全員がボーダーレス教団の信徒だから当たり前かもしれない。
相手国を非難する様な人は一人もいなかった。

「共同統治案に落ち着くまで早かったですね、当然と言えば当然ですが。」
「問題はこの案をどう二か国の人に納得させるかね。」
「戦争でも起こしかねない状況ですから簡単には…。」
「ねえ聡美、このまま領土問題が解決しなかった場合の損失、共同統治にした場合の経済効果を試算して発表というのはどう?」
「あっ、成程、共同統治にした場合の開発計画を立てて…、岩崎が関わる場合の試算も出してみます。
まずは二国間問題研究チームに諮って、必要が有ればこちらでも計画立案、試算を手伝います。」
「共同統治するなら岩崎が投資すると明言しても良いわね、二国間の関係が改善されれば両国の支社にとってもプラスになるわ、投資規模はお父さまとも相談しておきますね。」
「遥香さま、島自体は大きく無いです、島に投資しての大きな経済効果というのは難しく有りませんか。」
「何となく考えていたのだけれど、実験的水中都市建設ってどう?
まずは満潮時に一階が水没する程度から始めて、研究と観光、地球温暖化で水没しそうな島の海岸線に建設したり出来ないか試行してみるの。
欠点は事故による浸水リスクと空調その他インフラの高コストね。」
「先行投資の回収が難しそうですが…。」
「完全水没タイプを作って高級別荘として売るのよ、普通の別荘では満足できないセレブ向けにね。
十軒ぐらいならすぐに売れるわよ。」
「高い維持費も問題ないという事ですか…。」
「共同統治が実現出来そうに無かったら他の候補地を探す事にしておこうか。」
「海底の所有権はどうなるのでしょう?」
「利権がややこしそうでしょ、逆に共同統治のどさくさに紛れて進める事が出来たら楽じゃない?」
「さすが遥香さまです、二国間問題とは別のチームが必要になりますね。」
「ええ、チーム編成をお願い、基礎調査の為の資金は私の口座からにしておいて、ひとまず一千万。
後は状況を見ながらどのおサイフを使うか考えるわ。」
「分かりました。」
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