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岩崎高校生会議-10 [高校生会議-17]

「遥香さま、ニュータウンはこれからどうなっていくのですか?」
「岩崎高校生会議のメンバーは都市として機能出来る状態まで整えるつもりなの。
岩崎学園大学メキシコ校、その付属病院、映画館など、何年掛かるか分からないけど大都市に有る様な施設は全部建設して行く、勿論メキシコの法に沿って役場や警察署もね。」
「どんどん面積を広げて行くという事ですか?」
「ええ、土地は有ります、メキシコ政府も協力的なのよ。」
「でしょうね、税収が増えますし、雇用対策も…。」
「基幹産業は観光だけど、港が出来たら、淡水化装置の最終組み立て工場を建てたりとかも考えてるのよ、将来的には装置の輸出も視野に入れてね。」
「まずはニュータウンの為ですか、町が大きくなれば必要となる水も増えますね。」
「でも下水処理で得られる水も増える、再利用可能なね。
水に関しては高校生会議の国際ネットでも色々検討されていて、氷山を運んで来る案とかね…、運んで来る事は出来なくなさそうでしょ、問題はその氷をどう陸揚げするかで費用対効果を考えていたり、今有る装置の改良、それから…。
水素を燃料とした発電で海水を使い水と塩を得るという提案からは、色々な可能性を描いて試作を始めた大学の研究所が有るのよ。」
「温室効果ガスを排出しないのが前提という事ですね。」
「簡単ではないわ、化石燃料の効率には勝てないわね、実際、化石燃料によって得られた電力によって作られた物を多く使っている訳でしょ。
それでも実験的な取り組みは進んでいてね、建物の屋上に海水の川を流す研究ではより多くの気化熱を奪える水量とか研究してるの、水路の形状に変化を付けたり、海水を一定に流すのではなく緩急を付けるとかを、屋上塩田としての効率を考えながらね。」
「鉄が錆び易いとか弊害が有ると思いますが。」
「その辺りも国際ネットの研究課題になってる、水、塩を中心に共同研究状態になっているのよ。」
「遥香さまが目指しておられた共同研究の形が出来つつ有るのですね。」
「ええ、それに合わせてネットワークシステムの効率化を考えているところなの。
でも、世界規模になって思わぬ問題も出て来てね、お互い自分の常識が通用しなかったりするのよ。
酷寒の地に住む人にとって熱帯なんて映像でしか見る事ないでしょ。
相互理解の妨げになっている事を取り除いて行かなければ、岩崎王国として一つになれないの。」
「目に見えない国境を取り除いて行く必要が有るのですね、宗教的な問題も有って簡単では無さそうですが…。」
「そうなの、宗教の問題は大き過ぎてね…。」
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