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展開-08 [高校生会議-16]

ヨーロッパ旅行を始めた頃、現地のマスコミはバーチャルプリンセスと報じていた…。

「遥香さま、マスコミの表現が変わって来ました。」
「どんな風に?」
「遥香さまの事を、真の姫という表現やプリンセス遥香と、遥香さまの事を知っているという前提で報じる様になって、バーチャル王国の姫、バーチャル姫といった表現がかなり減っています。
真の姫はステージ上の遥香さまをご覧になられた方が言い始めたそうです。」
「随分受け入れて頂けたという事ね、この一か月ゲストとしてステージに立ったり記者会見を開いたりした成果かしら。」
「はい、ドイツ語やフランス語もすっかり上達されて…、あの、英語、日本語を加えた四か国語を並行して使ってスタッフと会話している時は混乱しないものなのですか?」
「大丈夫よ桜、イタリア語も少し慣れたから、スペイン語、ポルトガル語の先生を用意してくれないかな。」
「分かりました、ドイツ語は私も大学で履修したのですが遥香さまの語学力には全くついて行けません…。」
「ふふ、コツが有るのよ、教えて上げないけど。」
「教えて頂いても実行出来ないと思います。」
「でも、無駄よね、文化的背景が有るから地球規模で言語の統一は不可能とはいえね。」
「英語を岩崎王国の公用語として、岩崎高校生会議でも使って行きます、これからの世界をリードして行く若い世代が一つの言語で交流する場が出来る事の意味は大きいと思います。」
「そうね、桜、岩崎高校生会議の進展は順調なの?」
「支社によってバラツキは有りますが、概ね予定通りと判断しています。」
「それではアメリカへ渡るタイミングの記者会見で説明を試みましょう、準備をお願いね。」
「分かりました、その頃ならもう少し形が出来上がっていると思います。
私と忍、聡美で説明し遥香さまにまとめて頂くという形でよろしいでしょうか?」
「ええ、私の話は短くて済む様にしてね。」
「はい、頑張りますが…、来週の王族が集まるパーティーでは話されないのですか?」
「パーティーは各国との友好と世界平和が目的、遥香システムの説明までは出来ないでしょ。」
「そうでした、帰国前の静香親衛隊隊長やフランス支社から呼び寄せる小百合にも目立って貰わないと行けませんし。」
「小百合はフランスに居つくつもりなの?」
「いえ、支社のシステムや岩崎高校生会議のシステムに問題なさそうなので、パーティー以降は毎日遥香さまにお茶を入れて差し上げたいと。」
「またメイド服を着るのかしらね、元メイド長は。
他のメンバー、チーム遥香サポートからアメリカへ同行して貰う人の調整は大丈夫?」
「はい、極力、国と人種のバランスを取りました。」
「パーティーへの参加者は問題ないの?」
「シビアな身元調査は済ませて有ります、私達と一緒にセキュリティーチェックを受けて貰いますが、凶器を隠せる様な服装では有りませんし、着替えなどは日本からのスタッフが手伝います。
勿論、人物的に問題がないと判断し、近い将来チーム遥香のメンバーになって欲しい人達です。
皆さん、王族が集まるパーティーを楽しみにしている様ですので、大丈夫でしょう。」
「どう、プリンスの心を射止めそうな人、居る?」
「どうでしょうか、主賓が遥香さまですから。」
「桜も頑張るのよ、王家に嫁いでそのまま国を乗っ取り思うがままにするなんて楽しそうじゃない?」
「私は、遥香さま程、腹黒く有りませんわ。」
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