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訪問-05 [高校生会議-14]

二日目、アサリダ国王主催の昼食会。
その模様は撮影され編集の後配信の予定。
無駄話も多いので編集は必要な作業、両国のスタッフが共同で事にあたる。
午後はアサリダ国王夫妻に案内され近くの観光地へ。
以下はその時の国王との会話。

「遥香は美しさと賢さで姫となったが、私は親が国王だったという理由で王子として育ち国王になった、そういう制度に疑問を抱かないか?」
「優秀な方のお子さんなら優秀だろうという考え、王家というシンボル的な意味合い、王家が今の世に存在している事に意味は有ると思います。
私は岩崎王国の一員として特別職、姫となってから社会制度について色々考えて来ました。
私のお父さまの様に愛に溢れた人が王であるなら、民主主義の面倒な事を超越した国造りが出来、王国は効率的だと思っています。
問題は社会制度ではなくそのトップの資質ではないでしょうか。
選挙で選ばれても、他の選択肢がなくて仕方なくとか、低レベルな人を選んで落胆というパターンも有ります、大統領が逮捕されたり、馬鹿げた政策を推し進めて反感を買ったりしていますから。」
「私の事は王としてどう思う?」
「お父さまほどでは有りませんが、国民の事を考えておられる方です、でなければ岩崎王国を上手く利用するなんて思いつかなかったのではないですか?」
「はは、申し訳ない…。」
「そこは気になさらないで下さい、岩崎王国はキサワイ王国と共に歩んで行きたいと考えています。
アサリダ国王から、お声を掛けて頂いたことで岩崎の海外展開が加速しています。
うちの社員達のモチベーションが更に上がりました。」
「それで…、国の発展に向けての数値目標を見せて貰ったが実現可能なのかな?」
「勿論です、まず貧困層を極限まで減らしましょう、対外的なイメージも悪いですし、具体的な事は明日の記者会見で発表させて頂きますから楽しみにしていて下さい。」
「あ、ああ…。」

日本語に訳すとこんな感じだ。
その後、歓迎パーティーまでの空き時間…。

「遥香さま、途中からアサリダ国王の態度が変わりましたね、彼の取り巻きも含めて。」
「そうね、桜、もう少し控え目にしておいた方が良かったのかしら。」
「いえ、国王はもっと軽い返答を想定していらしたのでしょうが、遥香さまに対する見方が程よく変わって良かったと思います。」
「今後、アサリダ国王はうちの海外展開で利用させて頂きますからね。」
「お~、ブラック遥香さま降臨だ~。」
「聡美の方はどうでした?」
「王子さまは優しかったです、岩崎社長夫妻と話が弾んでいましたが、私が英会話に慣れていない事に気付いて分かり易く話して下さいました、ね、静香。」
「はい、私でもかなり理解出来ました、でも王子さまは社長夫妻の案内役の筈なのに、聡美を気に入ったのか…、彼には沢山のガールフレンドがいそうです。」
「ふふ、政略結婚も有りなのね、聡美、彼が浮気しても許してあげてね。」
「遥香さま、何を言ってるのですか~。
彼は遥香さまをアサリダ国王に盗られたと嘆いていたのですよ。」
「そうでした、親子でどちらが遥香さまの案内をするかの勝負で負けた、でも聡美に出会えて嬉しい、なんて話してましたね。」
「チャラい感じなの?」
「チャラいとまでは…、でも普段からそんなセリフは言いなれている感じ、お国柄が違いますから彼にとっては普通の挨拶程度かも知れません。」
「そうなの…、なら、晩餐会では桜と聡美、後、メイド隊からモデル担当を何人か選んで、王子さまを囲む絵を撮らせて頂きながら彼の分析ね、把握出来てるデータだけでは分からない所まで知っておきたいでしょ。」
「分かりました、連絡を入れておきます。」
「静香は私の近くにいてね、高校生会議を英語で紹介出来る?」
「有る程度は英語の先生に手伝って頂いて一通り用意しましたが、思わぬ質問が来ると対応出来ません。」
「通訳出来るレベルのメイド隊隊員がいるから大丈夫よ。
桜、忍は?」
「晩さん会には間に合うと思います、大学の成績優秀者と一緒に来る予定です。」
「高校生の静香が話す事に意味が有るのだけど、忍もフォローしてくれる、静香は心配いらないからね。」
「分かりました、忍とは久しぶりです。」
「先乗りして貰い、ここの大学で色々やってくれてるのよ、岩崎学園大学をモデルに大学システム改革、岩崎高校生会議の構築とかね。
今日の参加者の多くは遥香姫親衛隊の隊員だそうなの、隊長として振る舞ってあげると喜ぶかもよ。」
「それはハードルが高すぎます。」
「そうですよ、静香は遥香さまと違って腹黒く有りませんから。」
「ふん、ど~せ私は…。」
「あっ、遥香さまが拗ねた。」
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