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みどりの風-08 [高校生会議-11]

チーム遥香のオフイスにはチームメンバーが集まっていた。

「あらっ、杉浦さん早かったのですね。」
「お疲れさまでした、遥香さま、生中継を拝見させて頂きましたが、改めて忠誠を誓わさせて頂きたくなりました。」
「杉浦さんには遥香システム関連で随分無理なお願いをして来ました、短期間での拡充有難う御座います。」
「いえ、利用する側の資質も有りますが、大学や高校生会議での実績により更なる可能性が見えて来たと、私の後継者は話していました。
私自身の能力はこれから衰えて行くのでしょうが、それでも遥香さまからチーム遥香に必要だと言って頂けた事が嬉しくて…。」
「ふふ、簡単には引退させて上げませんからね、御意見番として私達を見守っていて下さい。」
「はい。」
「桜、岩崎本部で整理して貰ってるテレビ番組映像はどう?」
「まずは生中継で流してくれた局が、会見のまとめをしている映像から出します。」

『驚きましたね、お飾りかと思っていた遥香さまが、落ち着いた中にも力強く党の方針を話しておられて、キャンキャン騒ぐだけのどこかの党首とは雲泥の差です。』
『高校を一年で中退、大学に入学された事の裏を疑う報道も有りましたが、どんな質問にも的確に、何も見ないでお応えしている姿は失言議員達に見せたいですね。
本物の天才が政治に係わるとどうなるのか、これから目が離せません。』
『ええ、遥香さまの美しさに質問する側が臆していたかも知れませんが、あれだけの受け答え、被選挙権どころか選挙権すら無いというのは残念です、国会で取り上げられている内容に対しても与党が正しいものは正しい、違うという事にはしっかり対案を示されておられました。
調べさせて頂いたところ、党の方向性はしっかり出来ていまして、今は立候補予定者に対する教育が最重要課題の様です…。』

「まあ、当然の反応だな、桜、批判的な報道は無いのか?」
「今の所は特にないそうです、前野さん、問題は国会議員の副党首達が今後どう振る舞うかだと思います。」
「教育をして優秀な側近を付けて有るから大丈夫だとは思うが、足を引っ張らないでくれと祈るのみだな。」
「前野君、そんなレベルなのかね?」
「杉浦さん、うちの会社だったら課長にもなれない様な人がいるのです、遥香システムの基礎がなかなか理解出来ない人も…、それでも選挙で当選してしまうシステムに疑問を感じています。」
「人気投票の弊害か…、今は数の論理で党にとって重要な人材では有っても…、難しいところだな。」
「副党首は元々みどりの風推薦で当選し無所属で活動して来た人です、能力は低く無いものの、組織運営が得意かというとそうでもなくて。
国会も有りますから、私と岩山、交代で東京へと考えています。」
「お主等の目に叶うだけの人物が不足しているという事なんだな…、少し引き抜きを打診してみようか、遥香さまの為なら動くと思うぞ。」
「お願いします、でも、その会社に負担が掛かり過ぎとまずいのですが…。」
「はは、少しずつ上を抜いて行かないと、下の連中にチャンスが回らないだろ、企業に於いても新陳代謝は必要なのさ、一人抜けたぐらいで揺るぐ組織なら、根本的な改革が必要だがな。」
「は、はい確かにその通りです。」
「次期党首は岩山君が適任だと思うが、その周りはどんな状況なんだ?」
「理論派、軍師タイプの人が多いと感じています。」
「分かった、では大臣候補を…、遥香さま、何人かに打診したいと思いますがよろしいでしょうか?」
「お願いします、第一目標は衆議院で過半数を取る事ですが、まだ充分な人数が集まっていません、杉浦さんの人脈で紹介して頂けたら嬉しいです。」
「チーム遥香の名を出せば簡単な事ですよ、私利私欲を考える様な奴は紹介しませんから安心して下さい、他のダブルワーク社長社員にも声を掛けます、そこからも直接引き抜いてやりますよ。」
「そうですね、皆さん余裕が有りそうです、刺激を与えて差し上げて下さい。」
「党首は東京へ行かなくて大丈夫ですか?」
「タイミングを見計らい、CDとDVDの宣伝を兼ねて行って来ます、あちこちご挨拶に伺う必要も有りますから、六月位を予定しています。」
「それまで他の党の動きを見る訳ですね、さ~て遥香姫の御機嫌伺に誰が来て誰が来ないか楽しみな訳だ。」
「ふふ、プライドを捨てて小娘に会いに来ますかね?」
「いや、ただ遥香さまに会いたくて、やって来るかもしれない、岩山君、前野君お主等が東京へという時は儂が姫さまをお守りさせて頂くよ。」
「はい、お願いします。」
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