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大学-02 [高校生会議-08]

大学までは徒歩、車も勧められたが近過ぎるし、少しは体を動かさないと。
警護担当の親衛隊は嬉しそうに、男女六人が私を取り囲んで歩く。
広告塔としての私を目出せる効果も有るが、彼等にとっては無駄な時間になりかねないとも思う。

「皆さん、名前、学部などを教えて頂けますか?」
「はい、自分は経済学部三年の…。」

六名を確認した上で…。

「沢井さんは、うちの大学生社員ですね。」
「は、はい、覚えて頂いていて光栄です。」
「では私の身辺警護要員やメイド達のデータを、ご本人の承諾を得てから私のみ閲覧可能な状態で整理出来ますか?」
「はい、アクセス制限を最高レベルに設定して、シークレットアンケートモードで各自に入力して貰います、遥香さまを大学まで送らせて頂いてからすぐ取り組みます。」
「お願いします、他の方にも私から課題を出してよろしいですか?」
「はい、勿論です。」
「大学生向けのシステムをすぐ導入出来る様にして有ります。
皆さんは、ご自身の卒論テーマ、もしくは卒論のテーマにしたいと考えている事について、すぐ入力出来る様に準備して置いて頂きたいのです。
勿論、強制では有りませんし、時間を区切る物では有りません。」
「分かりました、私はほぼ完成していますので…、そのまま入力なら簡単です。」
「それでしたら、まずは簡単に入力して、システムを理解してから整理し直して下さい。」
「はい。」
「親衛隊のたまり場には何台ぐらいパソコンを設置出来るのかしら?」
「すぐ調べます、ノートパソコンも含めてよろしいですか?」
「あっ、御免なさい、システム導入に当たってまずは何人分ぐらい有れば良いでしょう?」
「本館も警備上、入室制限を掛けています、十五台程度でよろしいかと思います。」
「沢井、支社長に基本的な話は通して有りますから十五台用意する様に伝えて下さい。」
「は、はい。」
「私の警護は他の方に任せてすぐ動いて下さい。」
「はい!」
「遥香さま、私も大学生社員になりたいのですが…。」
「そうですね…、沢井さんにお願いしたアンケートで自己アピールをして下さい。」
「はい!」
「それと親衛隊の近藤副長に、沢井さんの様に指示一つで動いてくれる人を、常に付けて下さる様、お願いして置いて頂けませんか。」
「分かりました、すぐ連絡します。」
「あらっ、皆さんどうかされました?」
「えっ、その…、遥香さまの美しさに、遥香コーポレーションの社長で有る事を忘れかけていました。」
「御免なさい、普段はこんな感じなの、私。」
と、微笑んでみせる。
「いえ、素敵過ぎて…、姫さまの警護に当たらせて頂く事が決まった時に、国王さまは遥香姫から学べと言われました…、これから、全力でお仕えさせて頂きます。」
「よろしくお願いします、まずは親衛隊の制服で目立ってしまってるわ、大学へ早く行きましょう。」
「い、いえ、目立ってるのは遥香さまではないかと…。」

まずは学内を案内して貰う、学生達は事前の通達で気軽に話しかけたりしないという事が徹底されているそうで、注目は集めたが騒がれる事無く歩けた。

「校内の清掃は業者に任せているのですか?」
「はい、ごみの処理とかしてくれています。」
「では、経済学部、経営学部で取り組める人がいたらですが、その業者とどの様な契約を結んでいるか、その結果がどうなのか、費用対効果の観点から調査報告して貰って下さい。
出来る人がいなければ、その旨伝えて下さい。」
「はい承知しました。」
「取り組んで下る方がみえましたら、遥香システムの講習を受けて頂きますのでその旨お伝え下さい。」
「はい。」
「花壇の管理は誰がしていますか?」
「申し訳有りません、余り気にしていませんでした。」
「学生の有志を組織化して予算を付ける事は可能ですか?」
「どうでしょう…、私では分かりかねます。」
「では、予算はこちらで検討しますから、花壇管理を担当して下さる方を探して頂けませんか。
やはり、遥香システムの講習を受けて頂きます。
見つからなかったら、別の形を検討しますので、一週間以内に返事を下さい。」
「分かりました。」
「では私のオフィスへ案内してして下さい。」
「はい、こちらです。」

学生達に少しインパクトを与えてみた。
私からの指示にどう応えてくれるかによって今後の方針が変わる。
私のオフィスは個室の他、教室程のスペースに十台のパソコンを用意して貰った。
少し休んだ後、パソコンを立ち上げ色々確認、会社は特に問題なし。
大学のシステムも問題無さそうだ。
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