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大学-01 [高校生会議-08]

十月から大学に通い始めた。
と言っても入学した訳ではない、目的は大学のシステム構築と、大学がどういう所なのか私が体験する事がメイン。
つまり私にとっては遊びに来た様なものだ。
仕事はどこにいても出来るので問題はない。
引っ越しの荷物と言える物はない。
ハブラシ一本でさえ大学生が用意してくれたからだ。
私の衣装は本社の担当者が選んで送って有り、今後は支社が引き継ぐ
新居まで付き添ってくれた前野さんが支社へ向かった後…。

「遥香さま、親衛隊副長近藤麻美と申します、姫様の警護を担当させて頂きますのでよろしくお願いします。」
「私はメイド長の小林小百合です、遥香さまの身の回りのお世話を担当させて頂きます。」
「私は自分の事は自分で出来ますから大丈夫ですよ。」
「いえ、雑事は私共にお任せください、遥香さまにはゆったりとお仕事に当たって頂く様、国王様から仰せつかっております。」

目の前には親衛隊の制服を身に着けた二十名ほどの男女と、メイド服姿の女子大生が二十人ほど整列している。
これは本気でお姫様ごっこをせざる得ない様だ。

「ご苦労様、では解散して、メイド長、部屋を案内して下さい。」
「はい、では皆さんはパーティーの準備を、本日のお客様は大切なお客様方ですから失礼の無いように、厨房へ入る人は料理長の指示に従って料理人の邪魔にならない様、気を付けて下さい。
勿論、衛生面にも細心の注意を払って下さい、よろしいですか?」
「おす!」
「皆さん体育会系なのですか?」
「いえ、そうでもないのですが、対外的には気合いが入っていた方が良いと思いまして、全員、遥香姫親衛隊の隊員です。
このホールは食堂で、ここの完成後、親衛隊のたまり場として使わさせて頂いております。
真面目な討論をしたり時には酒を飲む事も、勿論、遥香さま滞在中は禁酒とさせて頂きます。
ここで羽目を外す様な馬鹿はいないと信じておりますが、遥香さまとお会いして舞い上がっている者もおりますので…。
今夜はここでパーティーとなります。
ではお部屋に案内させて頂きます。」

両側に庭の木々を見ながら廊下を歩く。

「こちらの離れが遥香さまの部屋になっております、部屋に余裕が有りますので、お一人で寂しければメイドが交代で泊まらせて頂きます、お一人の方がよろしければ、メイドは本館の二階で休ませて頂きます。
何か有りましたら、このベルでお呼び下さい。
この離れは遥香さま専用ですので模様替えなど、気軽にお申しつけ下さい。
遥香さまご不在の際も掃除以外で人が入る事は御座いません。
庭は、滞在されてない期間のみ一般開放される予定です。」
「お父さまからは良い物件が見つかって改修工事が終わったとは聞いていました、綺麗な庭で気に入りました。」
「それは嬉しいです、お食事はこちらでも本館でも構いません、ご指示をお願いします。」
「そうね、朝食は部屋でお願いします、後は様子を見ながらにしましょう。」
「承知致しました、離れだけで生活できる様になっていますが…、あの…、よくある、お転婆なお姫さまが家来に内緒で町へ出かけるといった様な事は…。」
「それは無いわ、でも冷蔵庫の中身が鍵を握るのかしら、後、仕事に集中したい時は入室禁止に出来ますか?」
「はい、その様にさせて頂きます。」
「細かい事は少しずつ調整して行きましょう。」
「分かりました、この後はどうなさいますか?」
「少しくつろぎますので、パーティーの時間まで入室禁止でお願いします。」
「承知致しました、お時間になりましたらインターフォンでお伝えさせて頂きます。」
「お願いします。」

岩崎社長はやりすぎだと思うが、ここへお客様を招くというのは楽で良い、庭からの景色は山と空ばかりで建物が見えない、お客様にも喜んで頂けるだろう。
今後、どんな人を招待するか、しばしイメージしてみる。
その後、メイド達との生活がどうなるのか、いささか不安では有ると考えながらシャワーを浴びた。
すっきりした所で、広い室内を確認。
必要な物は揃っていて冷蔵庫の中身にも満足。
パーティーで着る衣装も用意してある。
少しお昼寝をしてから、パソコンを立ち上げ仕事。
大きな問題は無かったが幾つか指示を出す。
秋の夕日を眺めながら、のんびり気分。
どこにいても多くの視線を浴びる、それも仕事の内と割り切ってはいるが、勿論リラックス出来ない、だからこんな時間を持てるのは嬉しい。
冬の寒さは心配だが、ストーブと炬燵が有れば大丈夫だろう。
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