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九月-06 [高校生会議-07]

社員との夕食会は毎晩の様に開かれた。
主だった幹部社員は数名ずつ、他の社員はまとめて創立記念パーティーの形でとなった。
幹部社員との席では…。

「遥香さま、今日笹山社長の所から、遥香コーポレーションの支社を置きたいとの打診が有りました。
部屋は確保出来るとの事です。」
「そうですね、了承して他の社長社員へも情報を流して下さい。
杉浦さんの所の様に近くの支社に属している所は必要有りません。
支社で色々負担して頂いて本社の負担を減らしましょう。
笹山さんの方で支社長を決めて頂いて構わないとお伝え願います。
それと杉浦さんはシステム販売部部長に昇進して頂いて、遥香システムは本社から切り離して下さい、向こうの支社に任せましょう。」
「分かりました、今、済ませてもよろしいですか、ノートパソコン有りますので。
遥香システムを使えばすぐ済みます。」
「大丈夫です。」
「では、失礼します。」
「新しい支社が機能すれば組織固めの目途が立ちますね。」
「ですね、短期間で一気に拡大、服を売るブランドから高級品中心の総合ブランドになりそうです。
遥香さまは岩崎王国内のすべての高級品をプリンセス遥香ブランドでと考えていらしたのですか?」
「勿論です、特別職、姫としての務めです。」
「とんでもない事を当たり前の様に話されるから…。」
「混乱はしていますが、そこから色々見えていませんか?」
「はい、スタッフの力量や各自のモチベーションが、誰がリーダーに向いているのかも。」
「確かにそうだ、混乱が無かったら私のサブも決めづらかったと思う。
皆が納得する働きをしてくれる機会になった事がプラスに作用しましたが、遥香さまは、そこまで見通してみえたのですか?」
「偶然が重なっての規模拡大、見通していたというよりは、それを利用する事を考えました。
私はシステムを通して社員を見ているだけです。」
「私の昇進は遥香さまのご指示と伺っていますが、やはりシステムを通しての判断だったのですか?」
「はい、一早くシステムの可能性に気付いて下さいましたから。」
「随分、アドバイスを頂いての事でしたが…。」
「同様の助言をしても、成果を上げられない人もいます。
上の立場になった事で、個人の力量差を感じていませんか。」
「それは感じます、それに対してバランスの取れた指示を出す様、遥香さまからアドバイスを頂きましたが難しいです。」
「五人に同じ作業結果を求める必要は有りません、人それですから、後は私の様に腹黒く指示を出せば良いのですよ。」
「えっ、腹黒くですか?」
「相手の心理状態を見ながら指示を出して行く、隣の社員の倍働いても、本人が納得していれば問題ないのですよ、ふふ、私って、嫌な小娘でしょ。」
「い、嫌じゃないです! 大好きです!」
「お~、大胆告白、勇者だなお前、俺は思っていても口には出来ん。」
「わ、私は遥香さまの外見だけでなく、リーダーとしての器に惚れての部下ですから。」
「有難う、斎藤さんがリーダーとして成長して行く所を見守っていますからね。」
「は、はい!」
「あ~、完全に遥香さまの掌の上で遊ばれてるわね。」
「俺達も似た様なものだろ。」
「そうね、それが何故か心地よいのよ。」
「美しき天才少女に酔いそうだな…。」
「お前、飲んでないだろ。」
「遥香さまとの貴重な時間を酔っぱらって忘れてしまったら一生の不覚だぞ。」
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