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九月-03 [高校生会議-07]

プリンセス遥香ブランドの商品は順調に売れている。
遥香コーポレーション創立から一週間ほどのタイミングで、学校を休み朝から社員達と過ごす事にした。
社員を労う意味も有る。
日頃はシステムを通してのやり取りだが実際に会って話す事も大切だ。

「遥香さま、親衛隊の制服ですが関係企業から百着単位の注文が幾つか来ています、タオルなどのグッズは千単位ですが…。」
「承知しています、社長がうちの社員になりますから販売にも力を入れて下さっています、押し売りにならない様、指示は出しておきましたから安心して下さい。
他の商品はまとめて発注とは行きませんので通販サイトを通してとなるのでしょう。」
「製造を応援にも回してよろしいですか?」
「すぐに依頼して下さい、無理の無い様に進めないと質が落ちたりお客様を無駄に待たせる事になります。
白井さん、親衛隊の制服を元に、遥香システム開発部の制服を企画して貰えませんか、彼等からのリクエストでも有りますが、今後多方面で同様の企画を進めて行きたいと思います。」
「分かりました、すぐにデザイナー会議を招集します。」
「著名デザイナーをチョイスした企画は、最高の私という売りで如何でしょうか、検討お願いします。」
「はい、デザイナーの方との調整は進んでいます、遥香さまをイメージしてという声が有りまして、モデルをお願いしてよろしいでしょうか?」
「大丈夫です、私のスケジュールには気を付けて下さいね。」
「はい。」
「遥香さま、笹山社長よりのサンプル画像が届いていますが、もうご覧になられましたか?」
「はい、鈴木さんはどう思われましたか?」
「高級感が有りますし、インテリアとして部屋に合う様カスタマイズも可能、文句の付けようが有りません。」
「では、製造販売の計画を笹山社長と調整して下さい。
利益率を高く設定、安易な値引きは厳禁という事を忘れないで下さいね。」
「承知しました。」
「あっ、滝さん、お久しぶりです、出して下さった企画、面白いです、まずはローカルでの展開となりますが、それを踏まえての全国展開を考えています。
入社間もない状況で動きにくいかも知れませんがサポートも付いて貰いますので進めて下さい、お願いします。」
「はい、遥香さまに納得して頂ける結果を出したいと思います。」
「前野さん、どうかされましたか?」
「いえ、遥香さまが来て下さって皆さん嬉しそうです、でも作業効率は落ちますね。」
「たまの事だから許して下さいよ、前野さんは遥香さまのおそばにいる時間、長すぎです、代わって下さい~。」
「ふふ、良いのですか、私のそばにいると痩せる思いだと話す人もいますが。」
「お願いします~、最近太り気味なんです~。」
「ち、違うだろ、私の姫さまに失礼じゃないか。」
「あっ、前野氏が怒った。」
「はいはい、今度奢って上げますから皆さん仲良くして下さいね。
立ち上げまで落ち着きませんでしたが…、まあこれからも落ち着かないとは思いますが、私は十月から、しばらくこの地を離れます。
それまでに皆さんと会食の機会が有ればと思っています、勿論、強制では有りませんよ。」
「大宴会ですか?」
「いえ、それでは皆さんと落ち着いて話が出来ません、グループ分けは白井さんにお願いして良いですか?」
「は、はい、勿論です。」
「白井、親衛隊は程よく分散させろよ、遥香さまをお守りしなくてはならないからな。」
「何言ってんだ、遥香姫親衛隊に登録してない社員なんていないぞ。」
「遥香さま、ここは不思議な会社ですよね、社員一同社長に忠誠を誓い…、社長の事が大好きで。
そして私達の常識を遥かに超える、姫社長のお力…。」
「ふふ、それを発揮できるのも皆さんのお力有っての事ですよ、これからもよろしくお願いしますね。」
「勿論です、でも…、時々は今日の様に来て下さると嬉しいのですが…。」
「来ますよ、でないと白井さんの恋の行方を確認できないじゃないですか。」
「えっ、え~、白井さん、本当なの?」
「も~、遥香さまったら、また悪い御冗談を…。」
「う~ん、白井さんも高校生会議のサポートスタッフになったら如何?
ボランティアだけど活動を通して出会いが有るかも知れませんよ。」
「は、はい…。」
「社内恋愛も推奨します、皆さん真面目な交際をして下さい、不倫はだめですよ。
それと会食のグループ分けに希望の有る人は白井さんにお願いして下さい。
勿論白井さんと同じグループ希望という男性社員を大募集してますからね。」
「どうして私ばかり…。」
「白井さんの目標は三十迄に結婚、準備を考えると残された時間は僅かです。」
「そんな事、遥香さまに話した覚えは有りませんが…。」
「父から聞きましたが。」
「あ~、清音部長か…。」
「はは、思わぬ情報源だな、白井さん、辞令が下りたから、もう清音副社長だよ。
そうだ、いっそこれから本社で採用する男性は白井さんの好みに合わせて貰えばどうだ、遥香さま如何です?」
「そうね、でも、問題は相手の人が白井さんではなく他の女性を選んでしまう確率の高さかしら。
うん、新企画、白井さんの女としての魅力を引き出す、もしくはでっち上げる。
社長補佐をお願いする時にワンランク上を目指して頂く筈でしたが、今一つ結果が見えていません。
コーチを置いて、ワンランク上の女性に作り上げましょう。
その過程をまとめて、ファンクラブサイトにアップしても良いです。
その為の人員確保は前野さん、お願いしますね。」
「了解しました、漫画作成チームにも協力して貰いましょう。」
「私、仕事が…。」
「雑事は部下に指示し任せて下さい。
ダブルワークでうちの社員になって下さる社長達の事も有りますから、社内組織も再検討します。
システム内には社内組織に関するページを作りましたので一度確認して下さい。」
「これは白井さんに対する鞭なのか?」
「多分愛の鞭だろう。」

白井さんは気を付けていないと、部下に任せるべき所も自分で進めてしまおうとする傾向が有る。
結局、そこも含めての白井さん改造企画には高校生会議のメンバーにも参加して貰い、メイクや衣装から管理者の有り方までの研究という事になった。
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