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九月-01 [高校生会議-07]

夏休みを終えて、まずは先生と話し合った。
結果、三月までは高校に籍を残す事に。
十月から通う大学を何時迄にするか決めていないので、高校へ通う回数はもう多くないかもしれない。
入学した頃は優秀な成績で卒業と思っていたのが、休みがちになって一年で中退するとは人生分からないものだ。
会社の方は遥香コーポレーションの正式スタートに合わせて発表する予定だった企画から三つほど先延ばしにした。
社員達は残業してでも間に合わせたい様だったが、三つ減らしても充分過ぎる発表内容だからと納得して貰った。
残業をしないという習慣を定着させる為だ。
会社創立式典の日が近づくと、多くの岩崎王国関係者が岩崎本部が組んだスケジュールに従ってやって来た。
勿論、スケジュールに関しては私の意見も聞いて貰っている。
彼等は工場見学の他、遥香システムを紹介する研修会にも参加。
夜は…。

「おお~、姫さまも同席して下さるとは嬉しい。」
「本日は遠路はるばるお越し下さいまして有難う御座います。」
「いえ、来た甲斐が有りました、美しい遥香姫…、映像で親衛隊が姫に忠誠を誓う場面を拝見させて頂きましたが、私も忠誠を誓います。
遥香システムもすぐに導入準備に入らさせて頂きます。
人的に時間が掛かるという事でしたが、こちらからシステムエンジニアを派遣して研修を受けさせるという事で如何でしょうか。」
「有難う御座います、杉浦、それで問題有りませんね。」
「はい遥香さま、開発部の人材不足も補えます。」
「それなら、うちも派遣出来ます。」
「あっ、もしかしてここに呼ばれたのはシステムエンジニアを派遣出来そうな企業の…。」
「ふふ、杉浦、ばれてしまいましたね。」
「はい、皆さん、この席は遥香さまからの御指示で遥香システムを導入し易い企業のトップの方のみ、他の方々は別の指示に従って会食をされております。」
「業種もバラバラ、企業規模もバラバラだと思っていましたが基準が有ったのですね。
杉浦社長は遥香コーポレーションの社員になると聞きましたが本当なのですか?」
「はい、順調なので平社員から係長に昇進出来そうです。」
「初めて聞いた時は冗談かと思いましたが、遥香システムを見せて頂いて納得しました。」
「遥香さま、私にもダブルワークで遥香コーポレーションの平社員という可能性は有りますか?」
「笹山社長の所で扱っておられる商品から最高級の物を、プリンセス遥香ブランドという形で売り出すのは如何でしょう。
普通に契約を結んでも良いのですが、社長のダブルワークという話題性はプラスになると思います。
これからプリンセス遥香のブランド価値を高めて行く手助けをお願い出来ないでしょうか。」
「わ、分かりました。」
「う~ん、うちは部品メーカーだから接点はないですね。」
「いえ、飯田社長の芸術的センスと会社の技術力で、プリンセス遥香関連を飾る装飾品をお願いしたいと考えていたのですが。」
「えっ?」
「だめですか。」
「私の事も調べて…。」
「嫌ですわ、普通に公表なされてるじゃないですか。」
「…、装飾品ですか…。」
「沢山売れる訳では有りませんが、技術研修の一環として複雑な物に挑戦という事も考えてみては如何でしょう、販売の方は何とかしますから。」
「はは、それは私が担当という事ですね、飯田さん、我々大人が姫さまの掌の上で遊ばれている感覚では有りますが、それもなぜか心地よいじゃないですか、私も姫さまに忠誠を誓いますよ。」

この夜新規事業が幾つかスタート、担当は社長ばかりだから、本社サイドの負担は大して増えないだろう。
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