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夏休み-20 [高校生会議-06]

夏休み最終日、クラスの友人をファミレスに招待した。
この店は明日からしばらく休業してプリンセス遥香系列店への改装工事を行う。
リニューアルオープン後に向けてのスタッフ研修はすでに進んでいて、この時間も高校生が何人か働いている。
私の進学など杉浦社長に話した内容を彼女達にも話した…。

「遥香さま、大学での専攻はどうされるのですか?」
「今度大学へ行った時に考えてみるわ。
大学のシステムを構築する過程で学内の事が分かると思うの、お父さまからは自分のカリキュラムは自分で決めて良いと言われてる、まずは経営、経済辺りから始めてシステム工学、法学の辺りかな。」
「そんなに色々?」
「もう働いてるもの、急いで卒業する必要ないでしょ。」
「でも、ここに出来る新校舎でそんなに色々な学部の履修が可能なのですか?」
「可能にする為のシステムを構築するの、ここで成功したら日本中に校舎を建てて小規模キャンパスを展開。
有名大学は大都市に集中してるでしょ、でも、システムが良ければ偏差値の高い岩崎学園大学へ地方都市に住んでいても通える様になるのよ。」
「どんなシステムになるのですか?」
「既存の環境でも出来る事だけど…、例えば自分の都合の良い時間に、自分が選択している科目の講義映像をパソコンで閲覧、それに対して自分の考えをレポートにまとめて先生へメールで送るとか。
こういった事の使い勝手を良くして色々リンクさせ、遥香システムと共通のデザインにするつもり。
岩崎学園大学を卒業すれば、そのまま違和感なく遥香システムを使っての仕事が出来る様にしたいわね。」
「遥香コーポレーションで働いてるサポートスタッフの人が、遥香システムはすごいって話してました、私達には経験する機会、無いのですか?」
「岩崎高校生会議にも導入して行くわよ、まずはメインスタッフの人に使って頂きながら不具合の修正となるわね。」
「完成してる訳ではないのですか?」
「それぞれの組織の事情に合わせてカスタマイズする必要が有るの、岩崎高校生会議の場合は全国の支部で使って頂く事を前提にしていて、セキュリティーの問題も有りますからね。」
「父さんの会社でも導入が決まったって聞いたけど、高校生会議とは微妙に違うという事ですか?」
「ええ、そうよ、その違いは使う人によって更に違ったものになって行くの。
大学もそう、小規模キャンパスを幾つか展開していく事になったら、すべてのキャンパスで実験的な取り組みが出来る、大学が何の為に存在してるかとの根本からの見直しもね。」
「遥香さまのお話にはついて行けそうに有りません…。」
「ふふ、これから高校生会議にも情報を流して行くから考えてみてね。」
「はい。」
「さあ私の話はこれくらいにして、今日のメインテーマ、茜が久兼くんと夏休みをどう過ごしたかなんだけど。」
「え~、そんなテーマ聞いてません!」
「そうでしょうね、今、初めて口にしましたから。
優子さんからの情報では彼女の弟である久兼剛太はどうも何人かの女子に狙われている、その中に茜もと。」
「茜、どうなの、夏休み中に進展は有ったの?」
「そもそも、久兼くんの眼中に茜の存在は有るの?」
「茜、何時でも慰めてあげるからね。」
「え~い、うるさい、私だって自分の事は分かってますからね…、久兼くんは優しいし、高校生会議のスタッフとして色々教えてくれてるわ。
でもね…、彼との会話はどうしても遥香さまの事ばかりになってしまって…。」
「それで?」
「それだけよ、彼は女子の友達多いから私もその一人。」
「もっと積極的に行かないと~。」
「そんなんじゃないって!」
「それでもドキドキするような場面も有ったんじゃないの?」
「そ、それは…。」
「ふふ、真っ赤になった茜が可愛いからデザートにしましょ。」

友達とのおふざけは、やはり楽しい。
高校を中退しても接点は有る、息抜きの時間はこれからも持てるだろう。
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