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プリンセス遥香-09 [高校生会議-03]

人脈を作る。
私の部長研修が決まった頃、父が掲げたテーマだ。
父はその為のフォローもしてくれ、その結果が長老会議に繋がった。
長老会議に顔を出す時は酒席という事も有り必ず父が同伴。
父とは仕事に関する話をする事が多くなっている。

「遥香、長老会議に参加して下さってる方々に関してはこちらでも情報収集させて頂いている。
現時点での十一名の方々は人格者ばかりで、それぞれの企業内でも尊敬されている方だから安心して良いぞ。」
「ええ、皆さんが外見だけでない私をご理解して下さっての長老会議だから…、でもしばらくは色々な人を紹介して下さるそうで、前野さんに調整をお願いしたけど大変そうよね。」
「前野なら上手くこなしてくれるだろう、優先順位を考えて対応してるよ、場合によっては遥香が直接話をしなくても良いような形も模索しながらね。」
「人脈の大切さは分かってはいるけど人数が多くなるとね…。」
「だから、優秀な部下が必要になってくる、これから遥香がどれだけの成果を上げられるかは、どれだけ優秀な部下を集める事が出来、その部下達からどれだけ信頼される上司となれるかだな。」
「う~ん、今後の会社組織はどうなるの?」
「私の部はほとんど新会社にその機能を移す事になる、イメージ戦略として遥香の下にした方が強くなるとの判断だ。
実務は私の後継にと考えていた矢田を新会社の副社長という形で据える、私は部長から副社長になって新会社を見守って行く、またしても娘の力で昇進だな。」
「ふふ、でも良かったわ、お父さんが私の部下にならなくて。」
「そんな声も有ったが社長の配慮だろう、長老会議の面々が新会社の顧問となる訳だから新会社の副社長なんて半端ないプレッシャーが…、矢田はまだ気づいてなくて浮かれてるから、早目に目を覚ましてやってくれな。」
「高校生の部下になって浮かれてるの?」
「はは、遥香さまにひれ伏す奴ばかりだぞ、単なる美少女ではないとの噂が随分広まったからな。」
「難しいのはお姫様モードと社長モードの使い分けかしら、偉そうにしてる時間が長くなってるから…、嫌な小娘とか思われてないのかしら。」
「そう思ってる奴もいるだろうな、でもアンチがいるぐらいでないと大物にはなれないんだ。
遥香がにっこり微笑めば九割の人は味方に付いてくれる、それで充分だから絶対十割を目指すな、疲れるだけで得られる物はないと思えよ。」
「う~ん、確かにそうかもね、私も仕事をお願いする時は七割ぐらいの結果を合格点にしてるのよ。」
「ふむ、部下候補だった連中は上司にしたいお姫様と話していたが…、これから人数も増える、高校生にも積極的に体験の機会を作るのだろ、上手くやれそうか?」
「お父さんの部下の方々は優秀だもの、後は高校生のリーダーを見つけて育てるって事かしら。」
「プリンセス遥香関連以外は完全に任せて良いが、それでも遥香の夏休みは忙しくなりそうだな。」
「そうね、長老会議と高校生会議次第かしら…、でもプリンセス遥香のメインターゲットは二十代から三十代の女性なのよ、その層はまだ関係者しか絡んで来ていないでしょ、リサーチはしてるけど…、社外で活躍してる女性との人脈を上手く作りたいの、ただ誰でも良い訳ではないし、無駄に人数ばかり増えてもプラスにならないでしょ、長老会議は人数的に問題ないし高校生会議は社員と同様リーダーに任せて行けば良い訳だけど。」
「イメージとしてはデザイナーとかスタイリストということか?」
「ええ、若い女性が憧れる様な人、でも具体的に考えて行くと地方都市では弱そうで。」
「そうだな、職種によっては互いの信頼関係が築ければ後は地理的に離れていても仕事は出来るが…、う~ん、営業三課の白井くんは知ってるか?」
「いいえ。」
「彼女はプリンセス遥香スタート時に離せない仕事を抱えていたので、部下候補にならなかったが、今なら大丈夫だ…、まずは社長直属の部下という事にして色々相談に乗って貰うと良い、一度会う手筈を整えようか?」
「心強そうね、お願いします。」
「すぐメールを入れておくよ。」
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