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進路-09 [高校生会議-02]

企画書を読んだ上で、父や会社の若手社員達とも相談し、新たな部を創設する話をまとめたのが私の部長研修の第一歩。
実質的には父の部署を少しずつ分けて私の部署とし作業分担をして行く。
部下に関しては希望者と実際に仕事を進めてみて判断させて貰う事になった。
その概要をクラスの友達に説明して…。

「それでね、ちょっと大変なんだけど…、洋子が良かったら私の所で研修を受けて欲しいのだけど、どうかしら。」
「えっ、私で良いの、他の人だって遥香さまの下で研修を受けたいでしょう。」
「良いんじゃない、洋子、実績を上げて岩崎高校生会議の正規メンバーになってよ。」
「茜…、有難う、みんな良いかな私なんかで。」
「洋子が経験した事を教えてくれたらね。」
「うん。」
「ただね、業務上知り得た事の中には人に話してはいけない内容も有ると理解しておいてね、守秘義務ってワードは頭に刻み込んでおいて欲しいの。」
「うっ、企業戦略とか?」
「ええ、うちの店で出してる料理の秘密を競争相手の店に知られたら困るわ。」
「あっ、もう私達の研修も始まってるのね。」
「高校生会議とも連携して進めて行くからね、高一の今からだとマイペースの研修でも高校卒業の頃には就職後の仕事内容が掴めると聞いてるわ。
洋子は一般就職コース希望だけどご両親とは相談したの?」
「はい、岩崎高校生会議の話をしたら喜んでくれました。」
「私が部長研修から始める様に課長研修からでも大丈夫かしら?」
「えっ? 私が?」
「夕方は時間が取れるのでしょ。」
「はい、部活は週二回ですから、でも遥香さまが部長研修を始められるのは、特別専門職コースに合格されたからで…。」
「部長権限は有るのよ、洋子の才能を高校生の内から活かしてみたいと思わない?」
「課長研修という事は継続的な研修ですね。」
「そうね、長く続けて欲しいけど、少し実習を経験した後は他の研修コースへ移っても全然構わないのよ、ちなみに課長研修はアルバイト待遇で給料も発生するからね。
まずは体験という事でどうかしら。」
「お願いします。」

周りの皆が洋子に対して応援すると声を掛けた、それは彼女の家庭環境を知っていたからだ。
彼女は高校に慣れたらバイトしたいとも話していた。
真面目さだけでなく調理実習では手際の良さを見せてくれた事も彼女を誘った理由の一つ。
ただ、誘ったものの、それが彼女の将来に大きな影響を与える可能性についても考えている。
彼女には実質的な部下になって貰う、そう考えたら私の責任は…。
中学生の頃からぼんやりと職場でのリーダー的な存在に憧れていたので、高一にして一歩踏み出せるのは嬉しい。
だが、リーダーとしての責任も有る、何と言ってもお遊びではないのだ。
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