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進路-05 [高校生会議-02]

午後のメインプログラムは応接室でモニター越しに確認、私が会場に向かったのはフリーで先輩方に質問したり交流する時間から、でも、会場に入るとすぐに取り囲まれてしまった。
すぐさまスタッフが人を整理してくれて落ち着いたが。
そんな状態で、茜が…。
「遥香さま、皆さんお写真を撮らせて頂きたいそうですがよろしいでしょうか?」
私に代わって優子さんが応える。
「プリンセスとなって頂く事をお願いして、私どもの象徴となって下さったお方です。
写真撮影の場を設けますが、遥香さまを傷つける様な使い方をされる様な方はお断りさせて頂きたいです、よろしいですか。」
「私はプリンセス遥香に忠誠を誓います、我らが姫として自慢したいのです。」
「自分も忠誠を誓います、忠誠を誓った者のみが撮影を許されて、ネット上に拡散させて頂くというので如何でしょうか。」
「遥香さまよろしいでしょうか?」
「はい、皆さんとは岩崎高校生会議の場で今後もご一緒させて頂く訳ですから。」
大きな歓声が上がる、ここまで喜んで貰えるとは思ってなかった。
「では後ほど食堂で撮影会を開きましょう、隠し撮りの様な画像ではなく正式な写真で遥香さまを紹介して頂けたらと思います。」
「私は遥香さまと中学時代同じクラスだったの、勿論当時から可愛くていらしてみんなの憧れの的だったわ、お優しい方で私は勉強を教えて頂いてました、他校出身の方にはそんな一面も知って頂きたくて。」
「告白して玉砕した野郎は数知れないが、そんなうざい奴らにも心配りをして下さる方なんだぞ。」
「遥香さまは岩崎高校生会議のスタッフになって下さった、これは俺達で盛り上げないと、いや盛り上げたら楽しいと思わないか?」
「うん、今日先輩方のお話を聞いて盛り上げたいと思った、姫さまと一緒なら最高だぜ。」
「設定とか関係ないわ、遥香さまは私達のプリンセスって事で良いでしょ。」
「異議なしだ、岩崎王国の中で最も栄えるエリアにこの地を、遥香さまを盛り立てて、俺達の力でしようぜ。」
異様な盛り上がりにサポートスタッフまで熱くなってしまった…。
「遥香さまのお写真はスタジオでも撮影させて頂く事になっています。
完成したら、我が社のサイトでも閲覧出来る様にしますので、その時は情報を流しますね。」
「もっともっとお姫様っぽいの衣装がいいなぁ~。」
「そうね、衣装に興味の有る人集まって。」
「あっ、じゃあ、遥香さまを世に知らしめていく演出とか考えてみたい人はこっちへ来てくれないかな。」
「何でも良いから手伝いたいって人は私の所へ集まって。」
「残ってる人は俺達とって…、普通いるだろアンチとかわが道を行くとかいうタイプ。」
「はは、今日来てるのは、高一の五月から自分の進路と向き合う様な真面目な生徒ばかりだからな。」
「遥香さまは本当に人気者なのですね。」
「それは分かりません、皆さん勢いに流されてるだけかも知れません、でもこの流れを利用して体験の場を考えて下さってたのですね。」
「はい、ですがこんなに簡単に、こんなに早く、そして遥香さまに、その意図をあっさり見抜かれるとは思ってなかったです。」
「何時もと違う経験をする事で、自分でも知らなかった自分に気付く機会となるかもしれません。」
「遥香さまもそんな経験をされたのですか?」
「そうですね、父の仕事のお手伝いをさせて頂いたのは良い経験になったと思っています。」
「ではぜひ我が社へ。」
「あ~、うちは出遅れたよな、お前の所は社長直々のお出まし、俺も遥香さまの部下になりたかったな。」
「おい待て、俺は遥香さまをお慕いしてはいるが…、う~ん漫画みたいな設定だが、上司は高校一年生って面白いかもな。」

話がおかしな方向へ向かい始めているが…。
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