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プロローグ-02 [高校生会議-01]

岩崎高校生会議にはいずれ参加しようと思っていた、でも茜と同じでタイミングを逃していたと思う。
茜と言えば…、久兼くんは茜のタイプなのかな。
いや、あの茜の態度は間違いないく、う~ん、悪い男ではなさそうだし…、自分の彼氏候補にも成りうるとは思うレベルかな…、あ~、でも変な三角関係は嫌だぞ。
今まで結構、御免なさいと男の子に言って来たけど、そのフォローを茜がしてくれた気がする、私が嫌われる存在にならない様に、茜の良い所に久兼くんは気付いてくれるかしら。
気付ける様な人なら…。
まあ今は茜を応援してあげましょうか…。
何て事を考えてたら授業は終わっていた。
「遥香、行くよ。」
とても嬉しそうな茜と一緒に、正門前で待ってた久兼くんと落ち合い、向かったのは学校近くのファミレス。
オーダーを済ませた所で茜が話し始めた。
「ねえ久兼くん、私には関係ない話だけど、ルックスだけでなく人間的にも魅力的な人はいないかと相談してたって話してたよね。」
「ああ。」
「それって、どんな流れの話しなの?」
「先輩達と話してる時にね、今年の一年生は反応が悪いって話になったんだ、その時に岩崎社長が過疎地への取り組みの頃から業務拡大して来た背景の話になってね。」
「優秀な人材を集めたのよね、岩崎社長の人望で。」
「うん水神さんの言う通りなんだけど。」
「茜って呼んでくれないかな。」
「あっ、御免ね、茜さんの言う通りなんだけど、岩崎社長のルックスや社長夫人の明香さんがお綺麗な事も人の心に影響を与えていたかもって、その後の事業展開でも岐阜ではイケメン俳優を表に出して、まだ未知数だけど島根の村から新人歌手を売り出す企画でも、サポートは綺麗な人が中心なんだ。」
「正平さんの歌声素敵ですよね…、確かに多くの人に訴えたい時、ぼろぼろのホームレスみたいな人とイケメン社長の言葉では、全く同じ事を話していても伝わるものは違うでしょうね。」
「でしょ、だから清音さんみたな人が活動に参加してくれたら、一年生も岩崎高校生会議に目を向けてくれるのではという事になったんだ。」
「私は参加するだけで良いの? スタッフとかでなくて。」
「勿論、スタッフとして活動してくれたら嬉しいよ、スタッフでも自分の都合に合わせて良いから心配しないで良いよ、当然担当した事は責任持ってとなるけど。」
「具体的な組織はどうなの? さすがにお父さんでもそこまでは知らなかったわ。」
「うん、全国で展開してるけど、地方によって条件は随分違う、だから社員向けには組織の紹介をあまりしてないんだ。
俺達の支部は支部長を高二の先輩が、メインスタッフに高一から高三まで三十人ぐらい、サポートスタッフは地元企業の若手社員がボランティアで、大学生が少ないのがここの特徴な代わりに社員のサポート体制は全国でもトップレベルなんだ。」
「高校の部活も手伝ってくれてるものね、一部の人はしっかり楽しんでらっしゃるけど。」
「まあ学校側とはそれも含めて協力関係を築いている訳だからね。
チームは大きく分けると進学、就職、部活、趣味、政治、経済、社会問題、イベント、それと全体の調整をする総務、一年生のスタッフはまず総務に入って色々お勉強。
定例会はチームの事情によって頻度が違うし進学チームと就職チームが合同でイベントを企画する事もあるんだ。
後、夏休みに大きめのイベントを計画中、清音さん達には、それに参加して欲しくて声を掛けさせて貰った訳さ。」
「どんなイベントなの?」
「半分学園祭みたいなノリなんだって、俺達高校生は準備に時間を掛けられないけど、サポートスタッフ達は準備も含めて毎年の楽しみにしてるそうでね、普段活動に参加しづらいエリアの人にも声を掛けて集まって貰うそうだよ。」
「高校生の負担にならない様に気を使って頂いてるのね。」
「それも有るだろうが、姉曰く、気を付けていないと高校生そっちのけで盛り上がってしまうそうだけど。」
「でも、それも大切な事だわ、楽しんでいる先輩達の姿を高校生に見せる事で魅力ある職場で働いてる人達だと伝える事になるでしょ、私が就職する先も楽しい先輩のいる職場であって欲しいものね。」
「あっ、そうか…、清音さん…、ただの美少女じゃないんだ…。」
「あ~、なんだこの男、遥香の事、外見だけの女とでも思ってたのか~。」
「ち、違うよ茜さん、今まで先輩達と話していて、誰もその視点を教えてくれなかったんだよ。」
「まっ、今日始めて会った訳だから仕方ないか、これからは遥香さまとお呼びなさいね。」
「茜、私、そんなキャラじゃないわよ。」
「いいじゃん、ちょと楽しそうで、ねっ、久兼くん。」
「うっ、う~ん…。」
それからは、おバカな話をしたり、次回総務チームの会議の話をしたりしてたら、あっという間に時間が過ぎて…。
「そろそろ出ようか?」
「そうね、暗くなって来たし。」
「今日は俺が奢るよ。」
「それは悪いわ。」
「そうよ、久兼くんは遥香さまの僕では有るけど、僕にお金を使わせていたら遥香さまがいじめをしているみたいじゃない、私は自分の分プリカで払うからね。」
「私も。」
「はは、高校生になって親父から入金額を増やして貰ったのだけどな。女の子にも奢ってあげろよって。」
「大丈夫よ、気が向いたら奢らせてあげるから。」
「お願いします、ってどうして茜さんにそんなお願いしなきゃいけないんだよ、俺。」
ふふ、茜は好きな男の子をからかって遊ぶタイプなのね。
久兼くんはそれを嫌がってないみたい、案外良いコンビになるのかも。
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