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169-方向性 [岩崎雄太-17]

「明香、みんなのお母さまにもテレビ出演して欲しいという声が届いているがどうだ?」
「そうね、子ども達の事をほったらかしにしてる駄目な母親だけど、テレビで顔を見せれば喜んでくれる子もいるのかしら。」
「心の支えにしてるという子も結構いるみたいだぞ、十八歳以上ばかりだから諸事情を理解して我儘は言って来ない、みんな約束を守ってくれて真面目に生活してる子がほとんどだ。」
「あっ、この間、警察の御厄介になった子は大丈夫だったの?」
「更生プログロムを受けさせているよ、今後に向けての良いサンプルになってくれるだろう。」
「真っ直ぐに生きて欲しいけど…、でも思ってたよりはトラブル起こす子少なかったわね。」
「まあな、虐待経験の有る子は特に周りが気を付けたりしてくれてるからかな。
トラブルと言えば、譲治達が頑張ってくれてる番組も、大きな反響を得てるが、思ってたより抵抗が弱かった。」
「反発も大きいだろう、あら探しして来る連中もいるだろうって話してたわね。」
「小さな問題は表に出たが、はは、結構腹を括ってたのに肩透かしを食らった形だ、まだこの先は分からないが、うちの社員はみんな真面目だよ。」
「社員じゃなく国民でしょ、普段から王様らしくって結衣ちゃんに言われなかった?」
「それこそ大きな反発を受けそうな事なのだがな。」
「常識を超えた社長、ワンマン社長という訳でもないし、企業という枠を利用しつつ新たな社会の仕組みを確立しようとしてる、国民から尊敬される存在でしょ。」
「たまたま、親や環境に恵まれてたからだと思うが。」
「私利私欲しか考えない人も多い世の中よ…、ねえ、政党の方はどうなってるの?」
「大いなる準備段階だが譲治達も協力したいと話してくれた、人選さえ間違えなければ国政でも野党第一党を狙えると大学関連の連中は分析している。」
「譲治を党首にするの?」
「まだそこまで踏み込んだ話はしていないが、彼はうちのプリンスで定着しつつある、岩崎王国のプリンスが総理大臣にとか考えただけでも楽しいが、さすがに反発が大きいのかな。
能力的には問題ない、すでに岩崎王国は多くの日本国民からの支持を得ている、応援したくなる企業グループに譲治と結衣がしてくれたからな。」
「譲治は、雄太の後を継がせるか総理大臣を目指させるかなの?」
「まだ検討中だ、うちには優秀な人間、少なからずいるからな、ただ、彼のルックスと生い立ちは冷徹に考えて大きな武器だとは思ってる。」
「そうね、結婚した事によって人気が落ちる事もなく、最近は知識人としてテレビ出演する機会も増えて、高卒でも力が有れば人に認めて貰えるという事のお手本にもなってくれてる、本人はどう考えてるのかしら。」
「そうだな、まだ時間が有るとはいえ方向性はそろそろ固めたい、近い内に食事に呼ぶか?」
「それは嬉しいけど彼等の時間は大丈夫なの?」
「はは、親の我儘を聞いてくれる子達だよ。」
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