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163-番組 [岩崎雄太-17]

結局三十分CMの一作目は脚本、監督、主演を譲治と結衣が手掛けた。
内容は、岩崎雄太が推し進めて来た社会福祉活動と関連する会社の商品を紹介するものでショートドラマとして楽しめるものに仕上がった。

「譲治さん、CMドラマはまずまずの反響だったみたいね。」
「ああ、三十分のCMというものがどう受け止められるか心配していたが、流石に結衣の人気は強いな。」
「ふふ、幸せなカップルを演じさせたら私達の右に出る者はいないって評価も頂いてますよ。」
「問題はこれからだな。」
「ええ、脚本家達は今回の脚本を読んで焦ってたそうだけど、遊びじゃないから結果を出して貰わないと。」
「方向性は示せたと思うから大丈夫だろう。」
「そうね、それで今後の主役、私としては美沙と留美をプッシュして行きたいと思うけどどうかしら?」
「ああ、二人とも真面目に取り組んでいてくれてるし、結衣程ではないが充分可愛いと思う。」
「あら、可愛いとかそういう基準は人によって違うのよ、私達ぐらいの人は世の中に幾らでもいるわ、そこから女優やモデルを目指して評価されるのは…。」
「分かってる、演技や演出だろ、タイプの違う三人がバランス良くはまったら面白いかもな…、問題は相手役か?」
「そうなの、ピンと来る人がいなくてね、男性陣はオーデションしましょうか。」
「費用対効果がしっかり見えないとクライアントも資金を出しにくい…、今回は話題性も有ったから満足して頂けたみたいだけど。」
「登場人物少な目で脚本家と相談してみようか?」
「ああ…、そうだな…、美沙と留美で始めて、結果が良かったら共演したい俳優と交渉するから頑張れって、どうだ?」
「人参をぶら下げるのね…、でもあの子達の第一希望は譲治だから…。」
「はは、彼氏が出来たか聞いてないのか?」
「まだお兄さま大好きから卒業出来てないみたいよ。」
「撮影で忙しすぎる?」
「それはないわ、残業なしを守って貰ってるから。」
「何とか良い方向へ持って行きたいが…、兎に角…、商品の紹介だけでない、社会の色々な問題を考えて頂く為のCMでも有る、より魅力ある物にしないと、でも、普通に活躍してる俳優では一つの色がついてしまう事に抵抗を感じる人もいるかな…。」
「そうね、それは有るかも、私は逆に譲治さんとカップルって色を印象付けるつもりで動いてきたけど。」
「単発でお願いしても良いが、続きを見たくなるドラマを制作して行きたいだろ。」
「映画が完成した後は、私達、しばらくCMドラマに集中しましょうか?」
「準備の関係からもタイミング的には問題ないと思うが、次の映画とかの構想も有るのだろ?」
「ええ、でもこの形をこれから伸ばして行きたいと思うの、テレビ番組を録画してCMを飛ばして見る、CMが多いからテレビは見ないという人も増えてる、作品自体がCMだから単体で作品を売りにくいという欠点は有るけど、再放送の時は編集し直して商品の入れ替えも可能でしょ。
視聴者の気持ちとクライアントの思惑のバランスが良ければ、そうね、作品自体に魅力が有ればCMドラマという事を忘れて見て頂けると思うわ。
何度も同じCMを見て頂くのとは違った、インパクトが有る形を維持し続けていければね。
ネットでの無料配信も再生回数が伸びていて、映像文化に一つの可能性を見出したとか、以前の実験的ドラマがパワーアップしたとか、今の所は好評価を頂いてる、私としてはテレビ番組の一形態として確立させて行きたいの。」
「そうか…、親父さん関連でクライアントとの距離が近いから、色々実験的な取り組みをさせて貰えるが、グループ企業全体のイメージアップに成功してるとの評価も頂いてる、これまで応援してくれた皆さんの為にも力を入れてやって行こうか。」
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