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143-女優 [岩崎雄太-15]

ドラマの続編制作へ向けて、若手の女優が岩崎ファミリーの宿泊先を訪れた。

「初めまして神楽坂結衣です、よろしくお願いします。」
「岩崎譲治です、今回は注文の多い企画にも係わらず承諾して下さいまして有難う御座います。」
「いえ、時間的タイミングも良かったですし、実験的ドラマって楽しそうです、映画のお話しが確定したら…、発案は岩崎さんだとお聞きしました、俳優ならやってみたい人が多そうな企画、是非お願いしたいのですが。」
「まず、岩崎さんではだめです、譲治と呼んで下さい、岩崎では誰の事だか分かりませんから。」
「あっ、そうでしたね、私の事も結衣でお願いします、譲治さん。」
「はい、映画の件は父も賛成してくれました、ただ、ドラマ、映画、CMと岩崎ファミリーとの絡みの仕事ばかりだと、結衣さんに一つのイメージが付きかねないかと思うのですが大丈夫ですか?」
「私のイメージにプラスになると考えています、岩崎ファミリーに同行させて頂ければ、週刊誌にでっち上げられた変な噂も収まるかもしれませんし。」
「ならば良いのですが…、我々は本来ならテレビドラマすら有り得ない素人集団で申し訳ないです。」
「そんな事無いですよ、みなさんの自然な姿がとても素敵でした、リアルで…。」
「でも、そろそろ演技も練習して行きたいと、自分も含めてですが。」
「何か訳でも?」
「この先正平以外のアーティストも表に出して、チームを増やせないかと考えているのです。
中高年の方に受け入れて頂ける様な若手を育てて、地方都市を中心に公演を展開していけないかと。」
「それで…、分かりました、私なりに、で、映画は私に主演をやらせて頂けそうですか。」
「随分積極的なのですね。」
「主役になれたらと思うと、どきどきするくらい魅力的な役ですから譲治さんからも監督さんとかに話を通して頂けたら嬉しいのですが。」
「ドラマと合わせると、しばらくホテル暮らしの旅となりなります、それでもよろしければお願いします、すぐにでもゴーサインを出しますよ。」
「えっ、譲治さんに主役の決定権が有ったりするのですか?」
「自分は総合演出という事で、ドラマ制作の担当者、映画監督、CM制作担当者、岩崎ファミリーの舞台監督と調整して行く立場に有ります、ちなみに私に胡麻を擂ってもギャラは上がりませんからね。」
「ふふ、事務所はどうか分かりませんけど、私自身はギャラとは関係なく今までとは違った経験が出来るのが楽しみで、映画が決まったら他の仕事を入れないという話もしてます。」
「では、映画『女優』の主演は結衣さんにお願いすると連絡を入れます、皆に紹介しますので少し待ってて頂けますか。」
「はい。」
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