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110-将来像 [岩崎雄太-11]

翌日。

「史枝、ドライブインを拡張して理容室、美容室を作りましょう、人口が増えているから大き目に…、ざっと話して行くから録音しておいて後でまとめてね。」
「はい。」
「美容室は、まずこれからのオーデション合格者が舞台に立つ前に利用して貰う事も想定。
で、舞台の方なんだけど、スーパー銭湯のホールだからお客さんは基本浴衣姿で問題ないわ、でも先々は舞台の内容を充実させ、アーティストに固定のファンが出来る様にして行きたいの。
そうなったら、ホールは元々増築の形で建てられているでしょ、場合によっては銭湯とは切り離した形のライブ会場に出来ると思わない?
浴衣で気楽に見る演芸から、ちょっとかっこつけて見に行きたくなる、自分もお洒落して行くアーティストのライブコンサートへと進化させたいのよ。
そうなって来たら、例えば、午前中に美容室へ行って、お昼ご飯をレストランで食べて午後はライブ、終わったらお風呂に入って夕飯食べてという形も有りでしょ。
さらに、工房でローカルブランドを立ち上げて、アーティストと一体感のある服の販売も有りじゃない?
もちろん、すぐには無理だけど、今から将来像を見据えて準備して行けば可能だと思うのよ。
ここ独特のお洒落文化を発信出来たら面白いでしょ? 何でもかんでも都会に合わせる必要はないからさ。」
「そうですよね、工房の服は質の良さが売り物だけど、もっと売り上げを伸ばしたいです…、あっ、当然グッズも作れば売れます。」
「数を売るのは難しくても、うちならオーダーメイドが可能という強みが有るわよね。」
「まずは、明日のローカルスターの発掘ですね…、ささやかなファッションショーを開いてみるのは如何です? 歌や踊りが出来なくても舞台に立てます、大きな会場でもないから素人でも問題ないし、お爺ちゃんやお婆ちゃんが舞台に立つのも有りですね、その場で注文を受けるオーダーメイドってどうですか、スーパー銭湯のお客さんはお金に余裕の有りそうな方も少なく有りませんから。」
「行けるかも、工房へ行った時に相談して来てね、美容室、ローカルブランド、ファッションショー、オーダーメイド、アイドルグッズ、うまく行けば新規移住希望者の募集定員を増やせるわね、村人が増えれば店も増やし易くなって生活環境も良くなる、そうなれば移住者もさらに増やせる、色々障害も有るでしょうが過疎化の真逆を実現出来るかも。」
「工房の女性パワーなら行けますよ、皆さん苦労を経験してるからか力強い方ばかりです。」
「そうね、私は美容室の建設計画を進めるから、工房のお姉さん達との調整、お願い出来るかしら。」
「はい。」
「ちゃんと綺麗にして貰って来るのよ、まずは髪型から。」
「は、はい。」
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