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93-拡大 [岩崎雄太-10]

雄太も養護施設の子を気にかけている。

「里美、キャッチボールに野球場の建設と野球に片寄っている感じだが、サッカーやってる子とかは不愉快に思ってないのか?」
「そうでもないです、子ども達は学校ではサッカー、村では野球との住み分けを考えている様です、村で野球をやってくれれば学校の運動場はサッカー部が優先的に使えるとか、他の競技は、やりたいという児童生徒の人数が足りなくて、陸上とかの個人種目になっている様です。」
「そうか、都会と比べると選択肢がどうしても限られてしまうのだな、娯楽も少なくて…、里美はバッティングセンターの話、どう考えている?」
「バッティングセンターを建てるなら他の娯楽施設を併設した方が良いと思っています、単独より集客力が見込め、長い目で見たら確実にプラスになると、ただ、問題は人口の少なさです、片道一時間掛かっても来たくなる様なレベルの施設でないと安定した売り上げは望めないと思います。
真剣に取り組むなら、子どもからお年寄りまでが楽しめる施設の固め打ちをするべきかと。
スーパー銭湯からミニ遊園地、ショッピングモールやゲームセンター、映画館などから選んで人が集まるスポットに出来れば、JRの駅からも近いですから収益も上げられると思います。」
「具体的な案は有るのか?」
「一気に広げず、まずはスーパー銭湯の風呂の部分だけ建設し開業、そこからホールなどを増築して内容を充実させ、幅広い客層を呼び込める様にしていくというペースなら無理なく出来そうな気がします。
完成したら従業員の寮や社宅の建設、それが完成したらバッティングセンターの建設、といった形を取れば建設作業に当たる人に安定した仕事を提供出来ます。
食堂では資金の回収が順調に進んでいます、ゆっくりなら追加投資はさほど掛かりません。」
「急がなければ従業員も問題なく集まるという事かな。」
「はい、職業安定所からの照会、養護施設から職業訓練校に関する問い合わせが増えています。
村人が増えても、それに伴って仕事が増えれば何ら問題無い訳で、全体的に拡大して行くという方向で如何でしょうか。」
「そうだな、今後の収支データを見ながら建設の速度を調整してくれるか、住みたくなる村にしていかないと意味ないからね。」
「はい、お父さま。」
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