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85-後輩 [岩崎雄太-09]

翌日、訓練校の食堂。

「親父さん、職業訓練校の充実ですか…、中学生の中には高卒の資格を取らずに訓練校に入って早く働きたいと話してる子もいますがどうでしょう。」
「う~ん、そうか、中卒ですぐ就職はきついだろうが、ここで仕事について学んでからなら離職率が下げられるかもしれないね、職種の希望は聞いてる?」
「大工とか整備士とかです。」
「中卒なら急ぐ必要はないか、高校に通う代わりに…、なあ高卒の資格って必要ないのか?」
「私達は実社会の事、まだよく分かりませんが、岩崎家がバックで守って下さるのなら拘らなくても良いような気がします。
英語の学習をするより、敬語をきちんと話せる様になった方が良いレベルの子もいるそうですから。
授業中昼寝して高校を卒業するより、その時間を使って仕事を覚えた方がプラスになるかもしれません。」
「興味のない事に時間を使うのは無駄かもな、学力の高い子にとってはプラスになる学習であっても。」
「私達、一年間は必修ですが二年目以降は相談して卒業、就職のタイミングを決めると言われています、中卒の子が高校に通うつもりで訓練校で暮らす事も可能ですよね。」
「ああ、問題ない、ここの運営は君達が自主的に働いてくれているお陰で経費は大して掛かっていない、長く続けて行けると確信しているよ。
私としては就職に失敗して、そこから人生を良からぬ方向へ進めてしまう人を減らしたい、その為にどうして行くかなんだ。」
「親父さん、自分は師匠と相談して後輩の面倒も見て行きたいと思います。」
「うん、頼むよ。」
「訓練で作ってる商品がもっと高値で売れる様に頑張ろうぜ。」
「あっ、そうだな…、面白くなるかもしれない。」
「えっ、何か有るのですか?」
「まだ、話せないが少し動いてはいる、みんなはこの職業訓練校の今後の姿を相談して貰えないだろうか、後輩達の為に。」
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