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66-夕食時 [岩崎雄太-07]

夕食時。
紹介の後。

「武井さん、酒かビール、どう? 俺が奢るよ。」
「いいんですか、ではビールをお願いします。」
「よっちゃんビールお願い。」
「は~い。」
「酒が飲めるとは思ってませんでした、女性がいることも。」
「俺もまだここへ来てから二週間なんだがな、ふと思った訳よ、ここで生活してたら金は要らなくないかって、それなら稼いだ分で酒ぐらい手に入れても問題ないと、所長に聞いたら大丈夫だって事で、貯金を引き出して、この前の休みに酒とつまみを買って来たんだ。」
「へ~、貯金が有るのですか。」
「ここで働いた給料さ、五万円までなら何時でも所長に言えば引き出せる、それを越える時は前もって伝えて欲しいそうだ。
但し給料日まで待てば、ちゃんとした銀行口座に振り込んで貰えるよ。」
「聞いてませんでした。」
「所長の方針で、先輩が後輩に教える形にしたいそうだ。」
「は~い、ビールお待たせ。」
「有難う御座います…、あの…、女性でこういう施設は抵抗ありませんでしたか?」
「ふふ、都会の生活に無理に合わせようとして息苦しくなってたからなぁ~。
色々有ったけど、娘と暮らせる様になったし生活の心配はないし、悪くないかもって思い始めてるわ。」
「よっちゃんの娘は可愛いんだぞ、今は寝てるのか?」
「ええ、スタッフの皆さんに沢山遊んで頂いたみたいで。」
「他に質問はないか?」
「あっ、そうですね…、皆さんはどんなお仕事をされているのですか?」
「俺は、ここと町の中間に有る土地の造成工事をしている、そこに家を建てる予定なんだ。
ここから町の学校までは遠いから、よっちゃんみたいな子持ちはそこに住んでもらう計画が有ってね、今は三人で作業してる、まあ、所長の家が優先だけどね。
よっちゃんと、さっちゃんは俺達の食事や身の回りの面倒をみながら、斎藤達と菜園作りに取り組み始めた、鈴木は工房、武井さんの先輩になる訳だな。」
「皆さんずっとここで暮らすおつもりですか?」
「どうかな…、まだ結論を出す必要ないし、住めば都かもしれないが、まあしばらく一緒に暮らそうや。」
「そうですね、自分はちょっとビビり過ぎていたもしれません。」
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