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61-町作り [岩崎雄太-07]

市民団体明日檜が中心となって呼びかけ、都市計画市民会議が始まる。
市民が自分達の町の将来を自分達で考えなくては本当の改革は出来ない。
サイトは株式会社岩崎が用意した、観光客向け情報サイト、地元の産物を扱う通販サイトも順次オープン、広告料でサイトの設備費や開発、運営費を賄い、それを越える収入が有れば明日檜の活動へ回す、質問が寄せられた事も有り、その収支はすべて公開。
掲示板のスレッドはすぐに増え、様々な提案が寄せられた。
市への提案だけでなく、民間企業に対して、こういう店を作って欲しいといった提案も有り、すぐさま踏み込んだ営業内容をまとめたり、簡単な見積もりを出してみせる者も現れる。
それに対して検討したいという会社も現れた。
市民の提案が民間の手で実現する可能性が示された事により更なる提案を呼ぶ。
市役所の来年度予算に向けての解説も学生が中心になって分かり易くまとめて公開。
それを受けて、今までの予算についても議論が白熱、市の担当者はそれらの議論を参考に予算案を立て公開となる。
もちろん中長期の都市再生計画案も市民会議から出された。
多くの参加者が考えたのは、官民一体となって、短期で結果を出せば中長期計画に向けての予算が増やせるという事だ。

「谷川先輩、市民会議のサイト賑わってますね、都市計画とは少し違った話題も有りますが。」
「まあ、賑わう様に秋山市長や岩崎理事とも相談して誘導してるからね。」
「誘導ですか?」
「基本はネット上の動きなんだけど、面白い提案や結果が出始めた事に関しては明日檜メンバーにお願いして、口コミで広めて貰ってるんだ、目標は多くの市民に都市計画市民会議や市民団体明日檜の活動に対して興味を持って頂く事だよ。
自分達の住む町が変わろうとしている事を知って貰わないとね。」
「それでも口コミでは大した効果がないのでは有りませんか?」
「はは、口コミをなめちゃいけないな、噂が広まるのは早いのさ。
実際、イベント広場への道路沿いは道路拡張や新店舗建設の話が出ているだろ、それを受けて地主たちが相談を始めたそうだよ。
まあ、如何に高く売ろうかという算段だろうが。」
「土地が値上がりすると計画が遅れますよね。」
「実は多少遠回りになるが別ルートの土地を、岩崎理事関係の会社が格安で手に入れている、廃村復活を始める段階で先を見越してね。
あそこの地主たちが高く売ろうとか考えたら、遠回りでも別ルートで開発、安く売ってくれるなら、別ルート沿いは住宅地になるだろう、今はお花畑になってるけどね。」
「あっ、あのお花畑はずっと続ける訳ではないのですか。」
「ああ、その代わりの観光資源は増やして行く、今まで一泊で来ていた人が二泊したくなるような形を検討しているんだ。
例えば、今までイベント広場は週末の若者向けイベントが中心だったが、平日に中高年向けのイベントも企画したりとか。」
「その利益を次への投資に回すのですね。」
「そういう事、健全な経済活動を後押しして行くのが我々の役目だからね、まずは税収を上げつつ、官民一体となっての中長期戦略を練らないとな。」
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