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46-再編 [岩崎雄太-05]

岩崎村、岩崎雄太宅のリビング。

「雄太、また合併の話が持ち上がったのね。」
「ああ、業績不振の会社が…、まあ業績不振に陥らせたのはうちの社員が頑張ってくれたからだけど、向こうの社員の方が再建するならうちとの合併を望んだそうだ。
まあそれを受け入れるだけの度量があちらの社長に有ったという事かな。」
「他社の重役からは目の敵にされてるのよね、大きな企業グループが過疎地や地方都市の再生で人気を得つつ企業改革に成功して成長しているのにも拘わらず、役員報酬を低く抑えていて、そのお陰で他社の役員は高額の役員報酬を受け取りづらくなって…、あなたが暗殺されたらどうしようかと不安になるわ。」
「はは、そこまでの心配はいらないと思うが、まあ色々刺激を与えてしまった事は間違いないな。
こうすれば会社が成長するというお手本を示したつもりだが、苛立っているのは自分の収入を減らすだけの度量の無い人達だよ、明香の様な堅実な金銭感覚の人を嫁に出来なかったのだろうね。」
「ふふ、このまま合併が進んで行くと経済界の再編となって行くのね。」
「ああ、うちとの競争に負けている会社は優秀な人材を集められないどころか人材の流出を引き起こしている、自力で再建できない企業がどう動くかだね。
問題は独占禁止法に気を配らなくてはならない分野が幾つか出始めているという事だ、競争相手の会社に生かさず殺さずのレベルで会社を存続して貰うか…、こちらが支援する訳にも行かないだろ。
公正取引委員会が問題視する様な状態になる前に何とかしてくれるとスタッフを信じているがね。」
「社員を大切にする姿勢が、社員の意識を高め売り上げアップに貢献、その資金を使って近代的な工場を建設、建設はグループ企業が行うから、大き目の投資でもグループ全体で考えたら、すぐに回収が始まってる様なもの、積極的な設備投資が業績を伸ばす原動力でも有るのよね。
それが伸びない会社では、古い機械を使って効率の悪い生産、故障も多いから社員もストレスが多かったり無駄に残業したり。
以前のグループ企業には、そんな会社も有ったのでしょ。
それがこの村の再生をお爺さまや、お父さまと話し合う様になってから、グループ企業改革も始まって、きっかけは伯父さまなのでしょ、だから、せめて名誉回復というか、何か有っても良くないかしら?」
「そうだな、そういった事には無頓着な人だったが…。
今なら名前を使わせて頂いても、他の親族達も配当が増えたり、グループ企業再編に伴う調整で潤っているから文句も言えないだろう。」
「では村の高台に有る杉の大木に、お名前をお借りして、岩崎村を開くきっかけを作って下さった人物として由来をって、どう?」
「はは、そこまで考えていたのか、もちろん良いと思うよ、他は?」
「道路の名前とか、でもやり過ぎてもいけないわね。」
「ああ、ほどほどに、広報部とかとも相談してくれな。」
「ええ。」
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