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39-イベント [岩崎雄太-04]

六つのチームはそれぞれ広く支援を求めた。
それに対して北海道チーム以外は大学生の協力を得る事にも成功、大学のサークルとして継続的に参加してくれている。
彼等が考えたのは一般ボランティアをバスで送迎、人海戦術で畑を耕し種を蒔く、といった形の企画、そこにアイドルも参加する事も有って参加希望が殺到するイベントも多かった。
各チームが地道な作業をイベントとして展開して行く中で岐阜チームは違う展開をしていた。
番組上では、株式会社設立、役割分担、村の設計と基本的に岩崎村を作り上げた過程を追いながら、そこに笑いも入れるという形で進めている。
その中でチームメンバーと雄太との会議風景が放送された。

「君達のチームは事業計画もしっかりしていて資金も順調に集まってる様だね。」
「はい、お陰様で着工にこぎ着けました。
今までは測量や設計といった準備段階を番組でお見せして来ましたがこれからが本場になります。
岩崎村に倣って一番町に近い集落の造成工事から始めます。」
「どんな形にするのか視聴者の方にも紹介して下さい。」
「まずはイベント広場とお店を作ります、何と言っても通えるのが私達の強みですから住居は後回しです。
各種イベントとお店で資金を調達して、次の集落の造成資金に充てるのが目的です、イベント広場が有れば集客力が上がります。
造成工事はネットの募集に安く応じて下さった方々にお願いしましたが、一つ目のイベントとして工事見学会を開きます。
アイドルが案内する時は一人千円程度、地元スタッフが案内する時は百円程度に設定していますが、もちろん寄付や株の購入大歓迎です。」
「安全面は大丈夫?」
「はい、作業者とも話し合っています、見学会の時はスタッフも動員して安全に留意、また極力色々な重機を入れて、作業に関係の無い重機によるパフォーマンスも披露という、お子さんにも楽しんで頂けるプログラムになっています。
毎週末の開催を予定していますので、継続して来て下さると工事の進み具合が分かって面白いかもしれません。」
「うん、それは楽しいだろうね、私も岩崎村に常駐ではなかったから、行く度に綺麗になっていく村を見るのは楽しかったよ。」
「それでですね、岩崎さん、株式会社岩崎の林業チームに協力をお願いする事は難しいでしょうか?」
「植林地の手入れだね、林業チーム三っつ目の拠点は君達のエリアの近くに作る目途も立ってるから大丈夫だよ、岐阜チームが頑張ってくれてるお陰で話が早かったそうだ。」
「では植林地で切り倒した木の売り上げで作業に掛かる費用は確保出来そうですか?」
「それは何とかなると思うけど、折角だから間伐材の使い道とか視聴者の皆さんからアイデアを貰えないだろうか。」
「あっ、そうですね、岐阜チームのテーマに加えさせて頂きます。」
「君の映画制作はどうなってるの?」
「はい、自分の生まれ故郷を舞台に二本の映画制作が決まりました。
東京のマンションを引き払ってしばらくは実家から撮影現場に向かう事になります。」
「それは楽しみだね。」

そこで映画制作発表の場面に映像が変わる。
同じ町を舞台に同じ役者が主演を務め全く違う映画を二人の名監督が制作するというという事は大きな話題となった。
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