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36-企画 [岩崎雄太-04]

しばらくして立ち上がったプロジェクトの中心メンバーになったのは冬坂浩二だ。
彼は岩崎村に関心は有ったものの、自分が直接関わる事は考えてなかった。
きっかけを作ったのは岩崎村に移住した作曲家。
誘われて岩崎村を訪問し、雄太とも話をした。
さらに自分で調べて行く内に、雄太が本当にこの国を変えようと考えている事を確信する。
その手助けをする事はエンターテイメントの世界で成功した自分の次なるステップとして面白い挑戦と思えた。

「冬坂さん、お世話になります。」
「いえ、こちらこそです岩崎さん、田舎を盛り上げましょう。
それで、色々考えたのですが、まずは過疎地に人の注目を集める、特に若年層をターゲットにしたいと思います。」
「若年層ですか、岩崎村はどちらかと言うと中高年にターゲットを絞って来ましたが。」
「それでは若い住人を増やすパワーが弱く有りませんか。」
「ええ、ただ多くの若者にとって魅力的な環境ではないと思っています、観光地としては。」
「それは否定しませんが、少数ながら自然の中で遊んでいる若者もいます。
岩崎村と学生村以外に手に入れた土地は有りますか?」
「六ケ所有りますが、どう開発して行くか検討している段階です、北海道から九州までバラバラですので。」
「では、そこの開発はテレビの番組企画として始めませんか、タレントが村を作る番組は有りますが、一歩踏み込んで視聴者の参加も考えています。
若者が参加したくなる様な芸能人を六グループ組んで競い合って貰えば面白くなりますよ。
どのグループがどんな工夫をして村を開拓して行くか、時には人気アイドルが差し入れに行ったりとか企画は色々考えています。
芸能人のギャラと基本的な費用は番組制作費から出させますが、その他の費用を集める事も番組の一部として競わせます。
地道に寄付活動を行うかスポンサーを見つけることが出来るかどうか、何にしても岩崎家だけが過疎地にお金を回している現状から広げる事が出来るかもしれません。
サブタイトルは目指せ岩崎村にします、岩崎さんも奥さんと出演して下さいね。」
「は、はぃ…、上手く行ったら面白いですが、岐阜県の土地以外は通うのも大変な所ばかりですよ。」
「売れない芸人でも常駐させますから、なんとかなります。
それと並行して違った企画も進行させますが…、岐阜の土地は…、この地図のどの辺りです。」
「ここです、町から比較的近いのでホテルから現地へ通う事も容易です。」
「なるほど、観光スポットも色々有りますね。」
「三つ目の拠点に出来ると考えています。」
「良いですね、番組のメインにしますよ。」
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