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17-女性 [岩崎雄太-02]

女性の参加無くして健全な村作りはないと考えていたスタッフにとって、二名の女性が現地見学会に参加してくれた意味は大きかった。

「山川さん如何でしたか、廃村状態の集落はまだ手付かずですが、この集落は建物の補修が進んでいます。」
「はい社長、まずは住まいの確保なのですね、実際に住んでみないと不便さは分からないでしょうが、それも皆で乗り越えて行く、私は部活のマネージャーみたいな立ち位置でよろしいですか?」
「ええ、色々な作業が有りますから佐々木さんの奥さんや大鹿さんの奥さんとも相談して下さい、女性向け作業リストにも目を通して下さいね。」
「社長、最終面接は何時で結果はどれぐらい先になりますか。」
「山川さんさえよろしければ、採用させて頂きます。」
「有難う御座います、入社は何時に?」
「山川さんの御都合に合わせますよ。」
「では、今からという事でも良いですか?」
「こちらは構いませんが、ご両親は大丈夫ですか?」
「大丈夫です、先ほど話しておきました、一次面接でも親子三人での移住可能と聞いていましたので。
私、父が五十の時に生まれたのです、ですから父はもう定年を過ぎていまして、老後は田舎暮らしも良いかななんて話してたのです、両親は帰ったら引っ越しの準備を始めます、私は副社長と村長に挨拶したら花柳さんの手伝いをします。」
「なら、明日の朝にでも自分達の住む家を田中さんと相談して決めて下さい。」
「はい。」
「山川さん、もし私が採用されたら、同居というのは無理ですか?」
「水沢さん、もちろんオーケーですよ、ここで一人暮らしというのは寂しすぎますよ。」
「社長如何でしょうか?」
「水沢さんが覚悟されたのなら、もちろん採用です。」
「お願いします、身辺整理をして来週ぐらいには引っ越したいと思います。」
「ネット環境が整えば水沢さんのスキルを活かせる仕事も色々有ります、でもまずは仲間との時間を大切にして下さいね。」
「はい。」

明るい性格の山川はすぐに男性社員達の人気者に、水沢は広報担当としてその力を発揮。
二名の女性が田舎暮らしを始めたという事実は、間違いなく次に応募を考える女性達のハードルを下げた。
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